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■湖から命名
アードベッグ ウーガダールはアードベッグが発売しているウイスキーで2009年にはワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞した実績も持っています。
ウーガダールという名称は仕込み水を採水している湖の名前から来ています。
暗くて神秘的な場所という意味があり、この湖はピートの地層を通ってきたため、良質な水質ながらも色が黒っぽいのが特徴てきです。
アードベッグ ウーガダールはシェリー樽熟成の原酒をブレンドすることで、シェリー樽特有の甘さとスモーキーさが優美に奏でられています。
熟成する樽は元バーボン樽であったアメリカンオーク樽をベースに、元オロロソ・シェリー樽であったヨーロピアンオーク樽が用いられています。
冷却ろ過を行わないノンチルフィルタード製法であるため、香りやアルコール度数も高く保たれていて、アルコール度数は54.2%とパンチがあるのも特徴的です。

■テイストの特徴
アードベッグ ウーガダールは熟成させることで、仕込み水の黒っぽさとは全く異なる、濃厚なゴールド色へと変化します。
香りは第一アロマとしてクリスマスケーキのような華やかな甘さや、胡桃オイルのような爽快なナッツフレーバー、スミレや潮、杉や松葉といった深みのある爽快感も楽しめます。
また、くすぶった炭火やなめした革の香りのような温かみのある香りも漂ってきます。
やがて、スモーキーさの中からトフィーやレーズンチョコレートのような、甘酸っぱさのある甘みがほのかに顔を出します。
一方で、加水するとスモーキーさがより強調され、焼き立てのクリスマス・プディングを彷彿させる香ばしく甘やかな幸せな感じもしてきます。
さらにはタールやディーゼルオイルの重みのある懐かしい香りとともに、スグリや胡桃ブレッド、ベークドバナナやモカ・エスプレッソのような、ほのかに甘さを備えた香ばしい香りも楽しめます。
味わいは口の中を埋め尽くすような豊かな味わいと質感が広がり、香りと同様に甘さとスパイシーさにスモーキーさが絶妙なバランスで楽しめます。
甘やかな香りとともにクリスマスケーキのような甘みが舌に溶け込んだかと思うと、パッと弾けるようにスパイシーでスモーキーな風味も広がってきます。
やがて、蜂蜜がけをした燻製や焦がした糖蜜のような味わいが贅沢に融合し、高級なモンテクリストの葉巻を彷彿させる奥深いスモーキーさも感じられ、豊かな風味が幾重にも重なり合って複雑な味わいを楽しむことができます。
驚くほど長い余韻が続き、レーズンやモカのような甘みのある香ばしさと豊かなスモーキーさがゆっくりと調和していきます。

■アードベッグの歴史
今から約200年余り前の1815年にスコッチウイスキーの発祥の地として知られるスコットランドにあるアイラ島南部の海沿いに、アードベッグ蒸留所が設立されました。
大西洋に面した岩の多い小さな岬がある場所で、岩にあたる荒波のように、アードベッグ蒸留所もその後、数奇な歴史をたどることになり、実は何度も、閉鎖の危機に見舞われています。
アイラモルトとして地域の人々に古くから愛されてきたアードベッグが、何度もの閉鎖や廃業の危機を迎えながらも、伝統を絶やさず味を受け継いでこられたのは、それだけ地域の方に親しまれ、その火を絶やしてはいけないと思われていたからにほかなりません。
幾度もの閉鎖の危機を乗り越えながら、ようやく軌道に乗って世界的に売り出すための復活が遂げられたのは、ごく最近のことで、1997年のグレンモーレンジィ社による買収が転機となりました。
コミッティーの創設
何度もの蒸留所閉鎖の危機の中で、伝統の原酒を絶やすまいとして、復活を遂げた翌年の1998年に蒸留された原酒は、数年おきにボトリングて熟成の過程が公開され、その火を絶やすことがないよう、アードベッグのファンのもとで見守られています。
200年の歴史を持つアードベッグの蒸留所の門が二度と閉じられることのないよう、ファンによるコミッティーが創設され、成人であれば会費などは必要なく参加できます。