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スコッチウイスキーの中でも特別視される島

■ スコットランドにある島の一つ
スコッチと言えば、世界5大ウイスキーの産地として知られる世界5大ウイスキーの一つで、銘酒がそろうウイスキーの中でもとりわけよく知られているといっても過言ではありません。
スコッチはスコットランドで造られるウイスキーの総称ですが、スコットランドには本島だけでなく数多くの島が点在しています。
その島の一つがアイラ島で、インナー・ヘブリディーズ諸島の南端、ちょうどジュラ島のすぐ西側に位置していて、ヘブリディーズ諸島の女王と呼ばれるモルトウイスキーづくりと観光を主産業とする島です。
アイラ島で造られるウイスキーは、スコットランドで造られるウイスキーの総称であるスコッチウイスキーの中でも、アイラ・モルトと呼ばれるモルトに際立った特徴があることで知られています。
スコッチウイスキーにはピートと呼ばれる泥炭を用いて原料のモルトを燻すという工程があるため、スモーキーなフレーバーになるのが特徴です。
アイラ島にはかつてたくさんの蒸留所があり、現在も蒸留所が点在していますが、その中にはかなりの強さのピート香を持つウイスキーを造っているところもあります。
好き嫌いが分かれるアイラ・モルトですが、一度その味わいの虜になってしまったら、他のスコッチは飲めなくなるという人も多く、熱心なファンが世界中に存在するのもアイラ島で造られるウイスキーの特徴です。

■ アイラ島の重要な収入源
アイラ島の収入源は、主に観光とウイスキーづくりです。
ウイスキーづくりは観光にも一役買っており、アイラ・モルトウイスキーの名門とされるアードベッグ蒸留所にはランチが楽しめるカフェもあって、観光客にとって人気のスポットです。
アードベッグ蒸留所が造り出すウイスキーは、アイラ・モルトの中で最もスモーキーであると言われていて、1815年に設立されて以来、多くのファンを得てきました。
アイラ島南部の海沿いにあり、海が荒れた日には岬の先に建つ蒸留所を大西洋の荒波が洗うほどだったのです。
そのためにアードベッグ蒸留所には常に潮の香りが漂い、樽の中で熟成されている原酒にもこの潮の香りが移っていきました。
強いスモーキーさに加え、潮の香りが相まって、アードベッグは他の蒸留所には作り出せない味を確立したと言えます。
世界中にアイラ・モルト愛好家は存在しますが、中でもアードベッグ蒸留所が生み出すウイスキーには、特に熱心なファンが多いのには理由があったのです。

■ 蒸留所の歴史は波乱万丈
1815年に設立されて以来、今も多くのファンを持つアードベッグですが、蒸留所の歴史はまさに波乱万丈でした。
高い名声と人気とは裏腹に、何度も閉鎖の危機に直面したアードベッグ蒸留所は、80年代の閉鎖から再びアイラ・モルトウイスキーづくりを開始するまで、長い年月を待たねばならなかったのです。
1997年、グレンモーレンジィ社がアードベッグ蒸留所を買収したことによって、アードベッグ蒸留所は再び不死鳥のごとくよみがえることとなりました。
長い年月にわたる閉鎖は、蒸留所で働いていたすべてのウイスキーづくりに携わる人にとってつらい出来事だったのは、容易に推測されます。
同時に、アードベギャンと呼ばれる、熱心なアードベッグ蒸留所が造るウイスキーのファンにとっても、長い待ち時間だったことでしょう。
蒸留所再開にあたって造り手たちの心には、アードベッグを愛してくれるアードベギャンのために、よいウイスキーを造ろうという思いだけだったに違いありません。

■ 1976年限定の度数56％のアードベッグ
アードベッグ 1976 シェリーカスク マネージャーズチョイス 56％が示す数字は、1976年にボトリングされたアルコール度数56％を意味しています。
ボトリングしたのはアードベッグ蒸留所のマネージャー、スチュワート・トムソン氏で、アードベッグ蒸留所で初期に作られた貴重な限定ものです。
アルコール度数56％はかなりのヘビーボディですが、シェリー樽で熟成を行うことによってリッチかつフルーティな甘みに仕上がっており、アードベッグのおいしさを存分に堪能できます。