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希少な原酒をヴァッティングさせたアードベッグの秀逸品

■アードベッグの個性が存分に感じられる逸品

「アードベッグ 25年 ロード・オブ・ジ・アイルズ」は1974年と1975年のアードベッグの希少な原酒の中から、厳選した樽をヴァッティングしてノン・チルフィルテッドで仕上げた貴重な1本です。
3,500本だけボトリングされた限定品ということもあり、アードベッグファンだけでなく、アイラモルトファンやウイスキー愛飲家たちからも注目を集めました。
「アードベッグ 25年 ロード・オブ・ジ・アイルズ」の香りは、まさに70年代のアードベッグそのものです。
アードベッグ特有のクールな金属感と、フェノール類有機化合物消毒剤のクレゾールが感じられるのが特徴です。
アイラ島で造られるアイラモルトはもともとフェノール値が高いのが魅力ですが、そんなアイラモルトらしい強いヨード臭と燻したピートの香りが効いた仕上がりとなっています。
それでいてやわらかく優しい甘みが、強いピート香と絶妙なハーモニーを奏でているあたり、その出来栄えは「これぞアードベッグの醍醐味」と言わざるを得ません。
フルーツ感あふれる風味とピートの薫香、そしてクレゾール感たっぷりのヨードの風味が複雑に絡み合い、長い余韻を残しながらのフィニッシュが楽しめます。
ウイスキー愛飲家だけでなく専門家からの評価も高い「アードベッグ 25年 ロード・オブ・ジ・アイルズ」は、アードベッグの中でも大変人気の高い銘酒です。

■日本では人気がなかったアイラモルト

「アードベッグ 25年 ロード・オブ・ジ・アイルズ」を蒸溜したアードベッグ蒸溜所は、1815年に商業生産用のウイスキー蒸溜を開始しました。
すでに1798年にはウイスキーの生産を始めていたアードベッグですが、正式に蒸溜所が創業したのは1815年となっています。
アイラモルトはスコッチ・ウイスキーの中でも特に個性が強いため、ウイスキー愛飲家の間でも好きか嫌いかの両極端に分かれるほどです。
その理由はなんといっても大麦の焚きつけと乾燥に使用するピート（泥炭）の燻した香りが強いことと、海藻などのヨード分を豊富に含む薬品臭が強い点でしょう。
アイラ島にある蒸溜所はウイスキーを詰めた樽を保管する貯蔵庫が、海面よりも下というところもあります。
そのため熟成中に海藻や海風、海水からのヨード分を豊富に含んだウイスキーに仕上がります。
このヨード臭とピート香があまりにも強いことから、アイラモルトが日本に入ってきた当初は「焦げ臭くて薬臭く、とても飲めたものではない」と酷評でした。
中には「正露丸の味」と称する人もいるなど、なかなか日本人には受け入れがたいウイスキーだったのです。
日本にウイスキーがもたらされたのは1853年のことで、ペリー提督率いるアメリカ艦隊が浦賀沖にやってきたときだとされています。
このとき伝わったのはアメリカのバーボン・ウイスキーですが、ウイスキーの本場・スコットランドのスコッチ・ウイスキーも同様に「焦げ臭くてまずい」と言われました。
スコッチ・ウイスキーの中でも特に強烈な個性を持つアイラモルトが、日本人に受け入れられなかったのはとても自然なことだったと考えられます。

■じわじわと人気が広がるアイラモルト

2014年にNHKの朝の連続テレビ小説「マッサン」の放送をきっかけに、日本では空前のウイスキー・ブームが起こりました。
このウイスキー・ブームにより、アイラモルトも一躍注目を集めるようになります。
その背景にはウイスキー文化が日本国内で浸透してきたことや、アイラモルトを専門に提供するバーなどが増えたことが挙げられます。
またかつては免税店などでしか入手できなかったアイラモルトが酒類量販店にも並ぶようになり、一気に身近な存在となりました。
特に「アードベッグ 25年 ロード・オブ・ジ・アイルズ」のような、アイラモルトの中でもフルーティーさを兼ね備えたアードベッグはアイラモルトの中でもとっつきやすいウイスキーです。
アードベッグを飲んでアイラモルトのおいしさに虜になる人も増え、今ではアイラモルト全体の知名度を上げることになりました。
そしてその人気はウイスキー愛飲家やウイスキー初心者たちの間で、じわじわと広がりを見せています。