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スコットランドだけで6つの産地があります

■ウイスキーの産地と言えば5つのはず

美味しいウイスキーの産地を5つ挙げてくださいと言われれば、ウイスキー好きであればすぐに答えられるでしょう。
アイルランドにスコットランド、さらにアメリカ、カナダ、そして日本の5つです。
けれど、産地を6つ挙げてくださいと言われたら、それは世界のウイスキー生産国ではなく、スコットランドに限定していると考える必要があります。
スコッチウイスキーの産地として知られるスコットランドは、朝の連続テレビ小説「マッサン」の創業者であるニッカウヰスキーの竹鶴政孝が、ぜひとも造りたいとこだわったシングルモルトウイスキーを学ぶために留学していたところです。
とはいえ、貴重な蒸溜方法を教えてくれる蒸溜所は少なく、竹鶴政孝はつたない英語を駆使して何とか教えてくれるよう、訴えて回ります。
この情熱にほだされて雇ってくれた蒸溜所があったことが、ニッカウヰスキーを、そして高品質のジャパニーズウイスキーを生んだと言えます。
竹鶴政孝がこだわったのは、スコッチウイスキー特有のピートにあります。
ピートとは泥炭のことで、原料となる大麦をいぶして乾燥させることから、独特のスモーキーな香りがウイスキーにつくのが特徴です。

■スコットランドの6大産地

竹鶴政孝を虜にしたスコッチの産地は6つあり、ハイランド にスペイサイド 、ローランドにアイラ、そしてキャンベルタウン、とアイランズです。
これらの地域に100以上の蒸溜所があり、実に1000種類ものスコッチウイスキーが造られています。
地域によって文化も違えば風習も違うことから、同じスコッチウイスキーといっても味わいに差が生まれたのです。
最も多くの蒸溜所があるのがハイランド地方で、100の内40がここに集中しています。
範囲も広いことから、ハイランド地方だけでも4つの異なる風味のスコッチウイスキーが味わえるのが特徴です。
代表的な銘柄は「グレンモーレンジィ」で、柑橘系の爽やかな香りが楽しめるシングルモルトとなっています。
ハイランド地方の東側にあるスぺイ川近辺を指すスペイサイドは、ハイランドより多い50もの蒸溜所があります。
密造時代には1000を超える蒸溜所があったといわれるほどウイスキーづくりに適した環境で、甘みがあって華やかな味わいが特徴です。
ウイスキー初心者や女性にも飲みやすいのが、スペイサイドのウイスキーの魅力といえます。
よく知られている銘柄は「マッカラン」で、まずはここから始めてみるのがおすすめです。

■6つの産地以外にも注目されている場所がある

スコットランドには、西側にたくさんの島があり、ヘブリディーズ諸島と呼ばれています。
この島の一つ、アイラ島で造られたウイスキーはアイラウイスキーと呼ばれ、ピートによるスモーキーな香りが強いことが特徴です。
好き嫌いがはっきり分かれるところですが、そんなアイラ島の代表的な銘柄が「ボウモア」です。
「アイラの女王」と呼ばれるスコッチウイスキーならではのシングルモルトで、好きになるか嫌いになるか、ちょっとしたスリルが味わえそうです。
スコッチウイスキーを味わうには、スコットランドにある6つの生産地の有名銘柄全てを制覇したいところですが、これら6つの生産地以外にも注目されているところがあります。
クライド湾最大の島、アラン島にあるアラン蒸溜所で、実に160年ぶりにできた20世紀最後の蒸溜所です。
1995年にできたことからまだ23年しか経ちませんが、「アラン シングルモルト16年」はそのアラン蒸溜所で、最も長い熟成期間で造られたシングルモルトウイスキーです。
バーボンバレル熟成原酒を70%とシェリー・ホグスヘッド熟成原酒を30%の割合で組み合わせたアランのシングルモルト16年は、この時点でのアランの最高を全て組み合わせ、世界限定9000本で売り出されました。
かつてアラン島で造られていた最高級シングルモルトを再現したとまで言われている、アラン渾身の逸品です。