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■マディラワイン樽で追加熟成
アラン マデイラカスク フィニッシュ５０度はスコットランドのアラン島にあるアラン蒸留所においてホグスヘッドで熟成させた後で、アフリカにあるポルトガル領のマデイラ島のみで生産される独特な酒精強化ワインとして世界的に人気のマデイラワインを醸造した後の空き樽で追熟させたシングルモルトです。
ウイスキー造り30年以上という熟練のマスターディスティラーのジェームス・マクタガートによって慎重にモニタリングがなされ、最適な追熟状態に仕上げられ、アルコール度数50%でボトリングされています。
もちろんカラーリングはされておらず、冷却ろ過も行われていないので、シングルモルトの個性を存分に楽しむことができます。
アラン マデイラカスク フィニッシュ５０度は数量限定での販売となっており、全世界で12,000本、日本へはわずか300本の入荷しかありません。
国内で出回る分はその多くが有名なバーや高級レストラン、ホテルなどの手に渡ってしまうことも予想され、ウイスキーファンやコレクターにとっては非常に希少で貴重なアイテムとなっています。

■味わいや香りの特徴
マディラワインというのはブドウ果汁を醗酵させてからブランデーを添加して樽詰めし、3ヶ月から半年間、30～50℃の乾燥炉で熟成させるという独特の製法で造られており、ブランデーを加えるタイミングで甘口にも辛口にも仕上げることができます。
アルコール度数が高い酒精強化ワインなだけに劣化しにくく、味わいや香りが長く保たれます。
独特なマディラワインの熟成を終えた後の樽で追熟されたアラン マデイラカスク フィニッシュ５０度はマディラワインの芳醇な香りや甘みのあるテイストも交じり合い、独特の個性や華やかさが生まれます。
色合いは薄い焦げ茶のマホガニーですが、香りの第一印象はレーズンやアプリコットなどのドライフルーツをたっぷり加えて焼き上げたばかりの香しいフルーツケーキのようです。
さらにオレンジのスライスがたっぷり入った高級なマーマレードを思わせる香りが漂い、その奥からゆっくりとチョコレートシロップのようなほろ苦く甘やかな香りが感じられてきます。
味わいはレーズンや蜂蜜のように甘やかで、フィニッシュにビターオレンジがアクセントになった大人向けのフルーツケーキのような幸せな余韻が続いていきます。

■アラン島の特徴
アラン蒸留所があるアラン島は総面積は約427平方km、人口わずか5,000人ほどの島で、イギリス王室の避暑地としてロイヤルアイランドの愛称もあるなど、リゾート島として人気です。
西岸海洋性気候であるため、夏でも過ごしやすく避暑に最適なうえ、スコットランドの中では冬でもさほど厳しい寒さがなく、雨量は年間を通じて安定しているのでウイスキー造りには最適な環境が整っています。
まさに醸造所や蒸留所にはうってつけともいえる環境です。
こうした環境から19世紀にはウイスキーの密造蒸留所が50以上もあり、密造酒ながらアラン島のウイスキーは美酒として名を馳せていました。
しかし、密造酒時代が終焉を迎えると一気に蒸留所が消失し、アラン島で唯一、合法であった蒸留所も1836年には姿を消したという歴史を持っています。
■アラン蒸留所の特徴
約158年にわたってウイスキー造りの伝統が途絶えていた地に、ゼロからのスタートとしてアラン蒸留所がハロルド・カリー氏とその息子たちによって設立されました。
酒造メーカーで活躍し、ウイスキー造りに人生をささげてきたハロルド・カリー氏が理想のウイスキーを造りたいと開設したもので、近年流行っているブレンテッドウイスキーではなく、シングルモルト造りに徹していることがアラン蒸留所の大きな特徴です。
オプティックと呼ばれる大麦の麦芽を主原料とし、アラン島に手を加えない自然のままに残されるイーサンビオラック川へと流れるロッホ・ナ・ダビーの良質な湧水を使って仕込まれます。
そのうえで原料の持つ風味を残せる単式蒸留器を用いて、蒸留が行われています。