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スコッチウイスキーとワインとの関係

■スコッチウイスキーの源流はワイン？

古くからスコットランドとイングランドとは仲が悪く、しばしば戦いを繰り返してきた歴史があります。
かの有名なジャンヌダルクが率いて勝利を収めたことで知られる百年戦争も、ジャンヌダルク軍の多くはスコットランド人の傭兵たちでした。
スコットランドはフランスと同盟を結ぶほどにフランスと親しい関係にあったことから、イングランドとしては受け入れがたかったのでしょう。
一度はスコットランドとイングランドは平和条約を結びながらも、イタリアの支配権をめぐってヘンリー8世がフランスのルイ14世に宣戦布告した際には、スコットランドのジェームズ4世は同盟を重んじ、イングランドに侵攻しています。
こうした戦争の歴史がもたらした恵みと考えると少しは慰めが見いだせるのが、そもそもスコッチウイスキーの源流はワインにあるとする考え方です。
スコットランドとフランスの親密な関係により、スコットランド人にとってワインは身近なお酒であり、ワインによって舌が磨かれていったと考えられるからです。

■ワインとウイスキーの製法の類似点

ワインは原料を粉砕し、発酵槽に入れてかもしという工程を経て、種や皮を圧搾して取り除き、樽に入れて熟成させます。
その工程には、ウイスキーづくりの基本である蒸溜が含まれていません。
しかしながら、蒸溜した後のウイスキーを、ワインやシェリー酒を仕込む樽に入れて熟成させることによって、味わいはワインとは全く異なるものの、ワインを思わせるフルーティーな香りと味わいが感じられるお酒に仕上がるところは、共通点を見出せます。
これこそが、スコットランド人がフランスのワインによって味覚を磨かれた結果、独自に編み出すことができたスコットランドウイスキー、通称スコッチと言えます。
スコッチに源流はワインにあると言われるのは、過去の歴史を紐解いた時、スコットランドとフランスの力強い同盟関係があったことは間違いないといえるでしょう。

■アラン・ウイスキーは特にワインに近い味わい

アラン蒸溜所がアラン島にできたのは1995年のことで、まだ20年と少しにしかならない新しい蒸溜所であり、ウイスキーですが、スコットランドの伝統的なウイスキーであるシングルモルトにこだわって造っています。
しかも設立者はシーバスブラザーズで代表を務め、長くウイスキー業界で生きてきたハロルド・カリー氏ですから、アラン蒸溜所が歴史の浅さをものともしない美味しいウイスキーを造り出しても不思議ではありません。
2009年に発売されたアラン アイコンズ・オブ・アラン ザ・ピーコック 1996年は、アラン蒸溜所が送り出す新シリーズ「アイコンズ オブ アラン」の第1弾で、パッケージには鮮やかなピーコック（孔雀）が描かれています。
アラン蒸溜所のマネージャーであるジェームズ マクタッガート氏が全ての選定を行って造ったこのウイスキーは、世界中で6000本限定で販売されました。
甘いオークと蜂蜜、続いてココナッツとキャンディの香りがする、アランならではの甘い香りを存分に味わったら、ナッティーな中にもしっかりとモルトの味わいが感じられるテイストを味わいます。
クリーミーな甘さを伴うフレッシュかつクリーンな余韻は、アランのウイスキー技術の確かさを改めて実感させてくれる、上質の仕上がりです。

■アランを飲めばより納得

スコッチウイスキーの源流がワインであるという説に、全ての人が賛成するわけではないでしょうが、アランのウイスキーを飲む限りにおいては、そのフルーティーな香りや味わい、フレッシュな余韻などからフランスワインの影響があちらこちらに見受けられます。
もしかしたらワインにつながるものがあるのかもしれないと考えてスコッチを飲むという発想自体がなかったからこそ、スコットランドの歴史を知って飲むと、新たな発見がありそうです。
それには、アランのウイスキーが最も適していると言っても過言ではありません