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産地ごとに違う超有名ウイスキーの歴史は

■5つの世界を巡ってみよう

これからウイスキーをたしなんでみようと思っているのであれば、まずは5つの国に絞って世界を巡ってみるのがおすすめです。
スコットランドにアイルランド、アメリカとカナダ、そして日本です。
世界には3000を超えるウイスキーが存在すると言われており、初めて飲んだウイスキーの味がウイスキーのイメージを固定させてしまうのは確実です。
美味しくないウイスキーをチョイスしてしまわないためにも、まずは5大産地のものを選ぶことが大事です。
最も歴史が古いアイルランドのアイリッシュウイスキーを選ぶなら、最古の蒸溜所で3回の蒸溜を経て丁寧に造る方法をいまだに続けるブッシュミルズの定番、その名も「ブッシュミルズ」がおすすめです。
軽い口当たりとフレッシュな果実を思わせる味わいは、初めてのウイスキーにぴったりです。
最も歴史の古いアイリッシュウイスキーに対して、一番歴史が浅いのは日本です。
とはいえ、ジャパニーズウイスキーは今や世界で引っ張りだこであり、品薄状態の人気です。
そんなジャパニーズウイスキーの二大メーカーは、ドラマ「マッサン」で一躍知名度を上げたニッカウヰスキーの竹鶴政孝の名を取った「竹鶴」がおすすめです。
一方、鳥井信治郎が情熱を注いだサントリー山崎蒸溜所では、高級ウイスキー「山崎」が人気です。
どちらも間違いないヴィンテージで、昭和に入ってから造られたジャパニーズウイスキーの歴史を思うと、5大産地に入っているのはすごいことだと言えます。

■アメリカやカナダも魅力的

アメリカンウイスキーは、200年以上の歴史を持つビーム一族が造り出したバーボンウイスキー「ジムビーム」が有名です。
他にもアメリカンウイスキーといえば「ジャックダニエル」が有名ですが、こちらはテネシーウイスキーとなり、アメリカンウイスキーの定義の細かさがうかがい知れます。
造られる場所によって大きく味を変えるのがアメリカンウイスキーの最大の特徴であることから、有名銘柄からウイスキーの種類を理解するというのも面白そうです。
カナディアンウイスキーは日本ではあまり知名度は高くありませんが、癖のない飲みやすさが特徴のウイスキーです。
かつては粗悪なウイスキーの代名詞となっていた時代もありましたが、アメリカ政府による禁酒法が上質なウイスキーを生み出すことになったカナディアンウイスキーのおすすめは、上品で癖のない味わいが楽しめる「カナディアンクラブ」です。

■なんといってもスコットランド

ウイスキーといえばスコッチと言われるくらい、日本でのウイスキーとはスコッチであるという固定観念が強いといっていいでしょう。
ただ、日本でスコッチウイスキーを有名にしたのはスコットランドのウイスキーではなく、アメリカンウイスキーのスコッチ「ジョニーウォーカー」の存在が大きかったと考えられます。
スコットランドのウイスキーでおすすめなのは、アイラ島にある1779年創業のボウモア蒸溜所が造る正真正銘のスコッチウイスキーで、蒸溜所の名前を取った「ボウモア」です。
どれもスコッチ特有のピートと潮の香りに、フルーティーな味わいが相まって、アイラモルトの女王と呼ばれるほど有名なスコッチウイスキーです。
そんなスコットランドの近くにあるアラン島に1995年にできたアラン蒸溜所は、まだ23年という浅い歴史しかないにも関わらず、すでに世界中に多くのファンが存在します。
「アラン12年 カスクストレングス 52.4%」は、加水しないナチュラルレングスのボトリングにより、リッチなフルボディウイスキーになっているところが特徴です。
シトラスにパイン、リンゴといったフルーティーな香りの中に、チョコレートや焼きプリンの甘さが加わっているところが、なんといってもアランならではの魅力です。
味わいもオレンジベルガモットティーのフルーティーさの中にバニラやダークチョコの甘みが加わり、これぞアランというヴィンテージを味わえるウイスキーになっています。