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アラン最長熟のアラン 1995 シェリーホグスヘッド モルトハウス アイラ 20周年記念

■アイラの絶品ウイスキーを復活させたアイラ蒸溜所

スコットランドの南西のキンタイア半島と本土に挟まれた内海にアイラ島はあります。
このアラン島は、スコットランドの中でも最も美しい島と言われ、英国王室の避暑地としても利用されていることから「ロイヤルアイランド」としても知られているのです。
さらにスコットランドの地形や地質学的特徴をすべて兼ね備えた島であり、ここは「スコットランドのミニチュア」とも言われています。
このような風光明媚で美しい島に1995年、アラン蒸溜所はシーバスブラザーズ社などでマネージングディレクターを勤めてきたハロルド・カリー氏により設立されました。
彼がこのアラン島を選んだ理由の一つとして、ここアラン島はかつて50にもなる密造の蒸溜所が操業してきた歴史があり、1837年のラッグ蒸溜所が操業停止するまでアランのウイスキーをアランの水とまで呼ばれるほど評価の高いウイスキーが製造されていたことが挙げられます。
実際に島を調査してみたところ、海に近い場所であり、新鮮な水が豊富かつ自然の景観が美しい場所でもあるロックランザが最適であることが証明され、ロックランザの地に建設されることになりました。
比較的世界でも新しい蒸溜所ではあるものの、アラン蒸溜所のアランモルトは英国で最も名誉あるとされているクィーンズアワード・フォア・エクスポートを受賞しているほど世界で大きな評価を受けるまでに成長しています。

■アラン蒸溜所のこだわりの製法とは

アラン蒸溜所の外観はさすが1995年に創設されただけあり、近代的な造りなのですが実際の建物は、伝統的な手法で建築されています。
蒸溜所で使われているポットスチルはハロイド・カリー氏自身が設計されたもので、比較的小さくずんぐりの形が特徴的なポットスチルです。
スコットランドで世界的なウイスキー蒸溜設備メーカーであるフォーサイス社が手作業で組み立てて船でアイラ島に運搬されてきました。
このポットスチルは、単式のものを2基使い、ウォッシュバックは4層使用しています。
通常新設される蒸溜所には連続式のポットスチルが置かれることが多いですが、あえてこちらでは単式のものを選んで風味や香りを強く残るようにこだわっているのが大きな特徴です。
さらに大麦にはスコットランド北東にある伝統的な大麦生産地とされるもモーレイシャー、アバディーンシャー産のオプティック種を使用しており、あえてライトピートの麦芽を使っています。
蒸溜に使う水はロッホ・ナ・ダビーを源泉としており、この水は花崗岩を通しているのでまろやかな味わいになり、さらにピート層を通ることで独特の味わいを生み出しているのです。
また、熟成樽、メインに使用される新樽はフレンチオーク材を使うことで、バニラやキャラメルココナッツの香りとスパイシー感を感じることができます。
そしてリフィル樽にはワイン樽やシェリー樽、ポート樽を使われています。

■アラン1995シェリーホグスヘッド モルトハウス アイラ20周年の歴史

こちらは、東京都練馬区にあるウイスキーの名店として知られるオーセンティックバー「MALT HOUSE ISLAY」の20周年を記念して造られたボトルです。
アラン蒸溜所創業の年と同じ1995年のシングルカスクで、アラン最長熟のボトルとなっています。
こちらのボトルは出来上がったウイスキーをテイスティングして選んだものではなく、数少ないシェリーホグスヘッドの21年熟成をシングルカスク、カスクストレングスでボトリングされているのです。
アルコール度数は49.6％で、若干ツンとするアルコールの刺激の後、すぐに熟した果実とかすかに香るスモーク感が現れます。
初めはシェリー感があるものの、後半になるにつれ次第にバニラ香が出てきてさまざまに変化する香りが楽しめる逸品です。
通常のアランプライベートカスクに比べて樽感を強く感じられ、スモーキーさも際立ち、時間が経過するにつれて果実感を感じるのが魅力となっています。