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17年もの熟成のアラン1999と蒸溜所の歴史

■アラン蒸溜所の歴史が刻み込まれた17年もののウイスキー

アラン1999 プライベートカスク シェリーホグスヘッドはアラン蒸溜所のシェリー樽の中で17年の時を刻んだ年代物のスコッチウイスキーです。
アルコール度数は55.6%と高く、一つ一つのウイスキーにはカスクナンバー171が振られています。
カスクナンバーは蒸溜された樽のナンバーで、管理上振られた番号です。
ちなみにアルコール度数は52.9%と高く18,000本限定品です。
アラン蒸溜所は1995年6月29日に、最初の蒸溜を行いました。
その4年後の1999年に造られ、17年間の歳月を経て熟成されましたので、まさに、アラン蒸溜所の歴史がこのウイスキーに刻み込まれているといっても過言ではありません。
プライベートカスク シェリーホグスヘッドという熟成樽を使用しています。
このシェリーホグスヘッドというのは、250lから300l程度のシェリーの熟成に使用された樽を、ウイスキーの熟成樽として組みなおした樽のことです。
なぜ、こんなに面倒くさいことをするのか、その理由は、ウイスキーの熟成期間中に、原酒にシェリー特有の甘い香りや赤味がかかった色合いを移すことができるからです。
また樽自体もウイスキーの熟成樽としてサイズが小さめであるため、風味を移しやすいというメリットがあるからです。
熟成が進むと、バニラのような甘い香りが生まれますので、スッキリとした木香が口に含むと、鼻から抜けていきます。

■創設者の思い入れのあるアラン1999について

アラン蒸溜所はアラン島の北岸ロックランザ村のはずれにあります。
このアラン島では、アラン蒸溜所が創立される160年以上前まで、盛んにウイスキーの密造酒の生産が行われてきました。
地形的にも、周囲は荒涼たる大地で、まさかこのような場所でウイスキーの密造が行われているとは、周囲の国々の人々は思わなかったことでしょう。
ちなみにアラン産のウイスキーは当時、隠語でアランの水と呼ばれていたそうです。
密造づくりは一時期盛んに行われていましたが、禁酒運動という歴史的背景やウイスキー経営がうまくいかなくなったこともあり、島でのウイスキーづくりは行われなくなってしまったのです。
その後160年経った後、シーバスブラザース社の代表取締役だったハロルド・カリー氏がこの場所に新たなウイスキー蒸溜所を創立させました。
実はこの当時、創立者のハロルド・カリー氏は70歳を超えていましたので、まさに無謀な挑戦とも言えます。
当時、彼の周囲の人間は反対しましたが、長年、アラン島に蒸溜所を建設することが彼の夢でしたので、70歳にしてとうとう夢を叶えることができたのです。
ハロルド・カリー氏は2018年3月に91歳という年齢でこの世を去ることになりましたが、まさに自分の人生の全てをスコッチウイスキーに捧げてきた人物でした。
彼の意思を受け継ぎ、現在もアラン蒸溜所では、銘酒と呼ばれるウイスキーが次々と生み出されています。
そんな歴史的なアラン蒸溜所と創立者のハロルド・カリー氏の思いが込められたアラン1999 プライベートカスク シェリーホグスヘッドはまさに銘酒だと言えるでしょう。

■ハロルド・カリー氏の思いが込められたウイスキーはどんな味？

シェリー樽の中で17年という長い年月の中で熟成されたウイスキーの味はどんな味なのか気になる方もいることでしょう。
アラン1999 シェリーホグスヘッドの色は淡いゴールドをしており、香りは甘いキャラメルやシェリー臭、アプリコットやレーズン、オレンジのようなフルーティーな香りがします。
とてもクリーミーなまろやかさがあり、スパイス入りの洋ナシのコンポートのような味も隠れていますので、ゆっくりと味わってみたい銘酒です。
味も香りも優しく包み込むよなフルーツの香り漂うウイスキーですので、女性の方も飲みやすいことでしょう。
創立されたわずか5年後にシェリー樽の中に漬け込まれ熟成されたウイスキーですので、このウイスキーには創立者の熱い思いが込められている特別のウイスキーだと言えます。