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独眼竜政宗を描いたラベルが印象的な1級ウイスキー

■仙台の英雄を描いたブラックニッカの限定ボトル

「ブラックニッカ ニューブレンド ザ マサムネ」は出羽国と陸奥国の戦国大名であり、「独眼竜政宗」の名前でも知られる伊達政宗を描いた限定ボトルです。
政宗は伊達家の第17当主にあたり、仙台藩の初代藩主でもあった人物です。
伊達政宗といえば甲冑を身にまとった凛々しい騎乗姿が有名ですが、この「ブラックニッカ ニューブレンド ザ マサムネ」のラベルにもまさにそのままの姿が描かれています。
1989年以前に販売されていたウイスキーのため、ラベルには「1級」という表示があるのが見て取れます。
「ブラックニッカ ニューブレンド ザ マサムネ」は、モルトとカフェグレーンを使用したアルコール度数40度のブレンデッドウイスキーとなっています。
ウッディな香りとコクのあるまろやかな風味が特徴で、経年変化の味わいが堪能できる大変貴重なオールドウイスキーです。

■今はなくなったウイスキーの級表示

「ブラックニッカ ニューブレンド ザ マサムネ」のラベルに記載されている「1級ウイスキー」という表示は、かつてはウイスキーだけでなく日本酒などにも見られました。
日本酒の「日本酒級別制度」では2級と1級、それに特級があり、ウイスキーにも「ウイスキー級別制度」が設けられていました。
ウイスキーの級別は3級から2級、1級に特級までがあり、「ブラックニッカ ニューブレンド ザ マサムネ」はこの1級に該当します。
ウイスキーの級別制度は1962年から1989年まで続き、1989年の酒税法改正によって級表示は姿を消していきました。
「ブラックニッカ ニューブレンド ザ マサムネ」のラベルに1級表示があるということは、ウイスキーの級別制度が実施されていた頃に発売されたものと考えられます。
1985年6月7日に刊行された朝日新聞の記事では、ニッカウヰスキーかの「みちのく俳諧の道」と「ブラックニッカ ニューブレンド ザ マサムネ」、それに「瀬戸大橋開通記念ボトル」が紹介されていました。
発売期間は1985年6月～1992年で、「ブラックニッカ ニューブレンド ザ マサムネ」は1989年までに販売されたと思われます。
最も可能性が高いのは1987年で、この年NHKでは伊達政宗を主人公にした大河ドラマ「独眼竜政宗」を放映していました。
伊達政宗の名をより有名にしたこのドラマは高い視聴率を誇り、大人気を博した作品です。
このドラマ人気と政宗ブームにあやかり、発売されたのが「ブラックニッカ ニューブレンド ザ マサムネ」ではないでしょうか。

■団塊世代以上の人には懐かしい級別表示

特級ウイスキーで有名な銘柄としては、「ジョニーウォーカー・ブラック・ラベル」や「オールド・パー」が挙げられます。
特に団塊世代の人にとって特級ウイスキーには憧れがあったのではないでしょうか。
特級までは無理としても、1級ウイスキーもかなりの魅力品であったことは間違いありません。
特に「ブラックニッカ ニューブレンド ザ マサムネ」のように特別なデザインのボトルはコレクターの間でも人気が高く、さらに入手するのが困難であったことが推察されます。
酒税法が最初に制定されたのは1953年のことで、アルコール度数が43度以上・原酒混和率30％以上あるウイスキーを特級、アルコール度数40度以上・原酒混和率30%以上のウイスキーを1級としました。
またアルコール度数39度以下・原酒混和率5%以上は2級ウイスキーとされ、3級ウイスキーは「原酒混和率それ以外」と規定されています。
品質にこだわったニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝は、3級ウイスキーでさえ原酒を混和できる限度ぎりぎりいっぱいまで入れた良質のウイスキーを造っていました。
特級ウイスキーはその中でも頂点に立つ品質を誇りますが、1級ウイスキーの「ブラックニッカ ニューブレンド ザ マサムネ」は特級にも負けないほどの味わいを備えています。
「ブラックニッカ ニューブレンド ザ マサムネ」も「お父さんの憧れ」として、高級ウイスキー光り輝いていた時代を彷彿とさせる逸品です。