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ヒゲのおじさんが目印のブラックニッカのスペシャル版

■ニッカの隠れた人気銘柄

「ブラックニッカ スペシャル」は、「ヒゲのおじさん」の愛称で親しまれた「ブラックニッカ」のスペシャル版です。
1965年（昭和40年）に発売された「ブラックニッカ」に施された「ヒゲのおじさん」がそのまま描かれたラベルが目を引くボトルとなっています。
ブラックニッカはニッカ独自のカフェ式連続蒸溜器を使用する製法で造ったカフェグレーンを日本で初めてブレンドしたことでも知られており、モルト原酒には余市モルトと宮城峡のシェリー樽モルトがブレンドされたブレンデッドウイスキーです。
「ブラックニッカ スペシャル」が「ブラックニッカ」の後継として、スペシャル銘柄となったのは1985年のことでした。
「ブラックニッカ」は当時1級ウイスキーとして発売されたため、その後継銘柄として「ブラックニッカ スペシャル」のアルコール度数も42度あります。
当時の1級ウイスキーのアルコール度数は40度～42度と決められており、限度量いっぱいまで原酒を入れることにこだわった、ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝らしさを感じさせます。
意外と店頭で見つけることが難しい隠れた人気商品のため、出会えたときには即購入されることをおすすめします。

■ニッカといえば「ヒゲのおじさん」

「ブラックニッカ」のラベルに登場した「ヒゲのおじさん」は「ブラックニッカ スペシャル」でも健在で、ニッカウヰスキーのマスコットキャラクターとして有名です。
ニッカウヰスキーのほかの製品のラベルにも数多く使用されており、ウイスキー愛飲家の間ではヒゲのおじさんといえばすぐにニッカにたどり着くといっても過言ではありません。
この「ヒゲのおじさん」は実在の人物なのか、それともニッカウヰスキーが作り出した人物なのか気になるところです。
実はこの男性は19世紀にイギリスに実在した人物を元にして描かれており、大高重治氏がデザインを担当しました。
この男性はウイスキー愛飲家たちの間では17世紀の「ウォルター・ローリー」とする説と19世紀にウイスキーのブレンド技術の重要性を説いた「W・P・ローリー卿」説の2つがあります。
ニッカウヰスキーの2代目マスターブレンダーの竹鶴威氏によると実際のモデルはよくわからないということですが、ラベルにはウイスキーの原酒をテイスティングしている姿が描かれています。
そう考えるとブレンドの重要性を説いた「W・P・ローリー卿」が、「ヒゲのおじさん」として有力と考えて良さそうです。

■ノスタルジックな雰囲気が漂うブラックボトル

ブラックニッカシリーズにはほかにもいくつかの銘柄がありますが、その中でも黒いボトルに金色の文字で箔押しされた「ブラックニッカ スペシャル」にはノスタルジックな雰囲気が漂っています。
テイスティング中の「ヒゲのおじさん」の存在感も大きく、これほどニッカにふさわしいデザインのボトルも少ないのではないでしょうか。
「ブラックニッカ スペシャル」はどんな飲み方をしても違った美味しさが楽しめるのが特徴で、ストレートやトワイスアップ（ウイスキーと常温の水を1：1で割る飲み方）、オンザロックで飲み比べてみるとその違いがわかります。
ストレートでは時間を置くごとにドライフルーツやベリー系の甘い香りが漂い、バニラや高級チョコレートの甘みとビターな味わいが楽しめます。
アルコールの刺激が少ないなめらかな口当たりで、ストレートでも飲みやすいのが特徴です。
トワイスアップするとほんのりとリンゴの香りが感じられ、水で割っても力強さと味わいが弱まることがありません。
飲みやすいのに飲みごたえがあり、ウイスキー初心者にも美味しくいただけることでしょう。
「ブラックニッカ スペシャル」のアルコール感を楽しみたいなら、オンザロックが最適です。
グラスに大きめの氷を入れて静かに注ぐと、甘い果実の香りが広がります。
ピート香とビターな味わいのバランスが非常に良く、飲みごたえ十分です。
ぜひいろいろな飲み方で「ブラックニッカ スペシャル」の奥深い魅力を堪能してみてください。