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■業界には珍しい家族経営
フランスのコニャック地方に拠点を置く、今や世界にその名を知られたコニャックメーカーのカミュは、1863年、ジャン・バティスト・カミュによって生まれました。
ジャン・バティスト・カミュはコニャックの生産者グループを組織して、最初は「ラ・グランド・マルク」というブランド名でコニャックを販売しますが、販売開始時の1863年から変わることなく、一族総出で会社の経営に携わります。
現在は、カミュ一族の5代目であるシリル・カミュが、3大陸にある８カ国、およそ500人の従業員を率いるカミュのトップです。
最初は生産者グループが集まって経営をスタートさせたとは思えない、規模の大きな会社に成長しましたが、それでも世界各国にファンがいるカミュの全従業員が500人と聞くと、意外と少ないと感じる人は多いのではないでしょうか。

■カミュの歴史を作った創業者
カミュの創立者であるジャン・バティスト・カミュは、もともとブドウの栽培とワインの醸造業を手掛けるワイングロワーでした。
その彼がなぜコニャックの蒸留と販売をしようと決意したかというと、コニャック・ハウスの設立という夢があったからです。
そのために、コニャックの蒸留と販売に関するノウハウを勉強し、さらには安定した品質水準のコニャックを提供するためには共同事業体にする必要があると判断し、コニャック生産者らに呼び掛けました。
ワイングロワーでありながら、ワインの延長線上にあるブランデーと、その最高峰であるコニャックまでを見据えて事業を起こしたあたり、まさに行動力のある人物だったといえます。
その後、共同事業体として誕生した「ラ・グランド・マルク」のパートナーたちから共有権を買い取ったことから、「カミュ・ラ・グランド・マルク」という、現在のカミュの母体が誕生したわけです。
その後、５代にわたってカミュはカミュ一族の当主に引き継がれ、現在に至るまで上質のコニャックを作り続けています。
ジャンには二人の息子がおり、兄のエドモンは事業全体に携わり、父を支えます。
弟のガストンはエドモンの指揮のもとで樽での販売ではなく、ボトルに瓶詰めをしたコニャックの販売を行い、さらにカミュの名声を確かなものにするという功績を残しました。
さらにガストンの息子であるミシェルは、ロシアとの関係を強化して販路を確かなものにし、その息子であるジャン・ポールはマスター・ブレンダーとして活躍します。
ジャン・ポールの息子であるシリルが、現在５代目となるカミュの当主を務めていますが、「カミュ エレガンスシリーズ」を手掛けるなど、５代目としてさらに躍進を続けるカミュを引っ張っていく当主であるのは明らかです。
このように、歴代の当主全てが父親からコニャック作りにかける情熱を受け継ぎ、それぞれが得意とするところで力を発揮しているところが、カミュを世界的ブランドに押し上げ、さらにはゆるぎない地位を確立させたのは疑う余地がありません。

■カミュの銘酒は数多い
カミュは５代続く中で、それぞれの当主がさまざまな銘酒と呼ばれるコニャックを作りだしてきたことにより、非常に商品ラインナップが豊富です。
「カミュ ボルドリー VSOP」はコニャック地区の中でも特に収穫量が少ないボルドリー地区で収穫された、希少価値の極めて高いシングル・クリュ・コニャックであるのが最大の特徴です。
原酒は、代々カミュ家自らの畑で栽培し、育てたブドウから作ったプライベートストックのみという、これまた稀有な要素を持ったコニャックであることから少量しか生産されておらず、カミュファンにとっては憧れのコニャックといっても過言ではありません。
カミュに銘酒は多いものの、稀少価値という点においては、この「カミュ ボルドリーVSOP」は筆頭といっていいほど上位にランキングされることでしょう。
カミュならではの滑らかでやさしい口当たりと味わいは、まさに絶品です。