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カミュを世界的ブランドにしたのは優れた人材たち

■一人のカミュから一族のカミュへの布石
高級ブランデーであるコニャックの5大ブランドの一つとして知られるカミュは、家族で経営するコニャックメゾンとしては唯一の大手としても有名です。
ただ、創業者であるジャン・バディスト・カミュは、最初から家族で経営するメゾンという形でスタートさせたわけではなく、生産者グループをまとめ、共同体として高品質のコニャックを安定的に供給しようとして事業に取り掛かりました。
その後、何がきっかけでジャン・バディスト・カミュの考えが変わったのかはわからないものの、ジャン・バディスト・カミュが共同体を設立した1863年からカミュの歴史は始まりました。
そして、パートナーから共有権を買い取ってからは、本格的にカミュ一族だけでコニャックメゾンとしてコニャック造りに取り組みます。
おそらくジャン・バディスト・カミュにとって、二人の息子が事業に加われる年齢になったことも、家族で経営するメゾンへと舵を切りたいと考えた要因だったのではないでしょうか。

■優れた人材が切れ目なく続いたカミュのすごさ
ジャン・バディスト・カミュの上の息子エドモンは、樽売りだったコニャックを初めてボトルに入れて売り出し、成功させます。
弟のガストンは販路拡大に専念し、カミュを帝政ロシア御用達のコニャックにするなど、得意分野でどんどんカミュの知名度を上げていきます。
1932年には、ガストンの息子であるミシェルが21歳でカミュに入社してきます。
創業者であるジャン・バディスト・カミュにとって、孫の入社は非常にうれしいことだったでしょうが、ミシェルが入社した時には、ジャンはもうこの世にはいませんでした。
とはいえ、ミシェルはカミュの中で祖父の残した偉大な功績を多く目にしたことでしょう。
ミシェルは、父のエドモンではなく、彼にとってはおじにあたる弟のガストンが手掛けてきた路線で活躍します。
つまり、ロシアとの関係構築に尽力し、1959年、フランスとロシアの間で独占的スピリッツ輸出入契約を獲得したのです。
さらにミシェルは1960年の初め頃から、今度はアメリカのDFSギャラリアと取引関係を結ぶことに成功します。
DFSギャラリアとの取引だけあって、旅行者のお土産にもなるようなフランス伝統の磁器であるリモージュ磁器や、高級クリスタルガラスで知られるバカラ社製のクリスタルデキャンタなどを使い、思わず購入したくなるような贈答用パッケージを次々に作り出していきました。
さらに、中身が見えないすりガラスのボトルを使うという業界初の試みにチャレンジし、さらなる販売促進に成功します。
このすりガラスのボトルの中には、上品質なナポレオンのコニャックが入れられていたこともあり、人気が出たのもわかります。
とはいえ、カミュは誰もが新しいことにチャレンジし、成功を収めてきたことは驚くべきことで、創業者の血が脈々と受け継がれていたのでしょうか。
また、ミシェルが生産を担当して大きな成功を収めた父ではなく、販路拡大を果たしたおじの路線で成功していることから、父のエドモンではなく叔父のガストンに似ていたのは興味深いところです。
とはいえ、途切れることなく優れた人材が家族で経営するメゾンであるカミュに参加するたびにどんどん有名にさせてきたという歴史は、驚きを通り越して感嘆してしまいます。

■カミュの創業150周年を記念するにふさわしいコニャック
カミュ キュヴェ 5.150は、カミュの創業150周年を記念して造られたコニャックで、バカラ社製の美しいボトルが特徴です。
このボトルに上質のコニャックを詰めて1492本限定で売り出しました。
まさにカミュの歴史が詰まった、黄金の雫とも言える究極の最高級コニャックです。
限定品ということで、1本1本に丁寧にシリアルナンバーが入れられており、ステイタス要素を存分に盛り込んだこのコニャックは、カミュの創業150周年を記念するにふさわしい素晴らしい出来栄えとなっています。