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「クライヌリッシュ 36年 オールドモルトカスク 1971」の歴史とその味


■クライヌリッシュ 36年 オールドモルトカスク 1971の概要と歴史

クライヌリッシュ（Clynelish）とは、ディアジオ社が所有し製造しているシングルモルト・スコッチ・ウィスキーの蒸溜所であり、またそこで製造されているシングルモルトスコッチウィスキーのブランドの名称です。
この蒸溜所は、イギリスのスコットランド北部にあるハイランド地方に建てられています。
最初のクライヌリッシュ蒸溜所は1819年に建設されましたが、1967年に新しいクライヌリッシュ蒸溜所が築かれたときに、旧蒸溜所はブローラと改名されました。
この旧蒸溜所はウィスキーの製造を1983年まで続けましたが、2017年には閉鎖されています。
ディアジオ社は、ギネス社とグランドメトロポリタン社の合併によって1997年に誕生した、イギリスの酒造会社です。
多くのアルコール飲料ブランドを手掛けており、主なものとしてスコッチウィスキーではジョニー・ウォーカーやホワイトホース、オールド・パー、J＆B、バーボンウィスキーではI.W.ハーパー、ビールではギネスやキルケニー、ワインではボーリュー・ヴィンヤードやスターリング・ヴィンヤーズ、ウォッカではスミノフ、ラムではキャプテン・モルガン、テキーラではホセ・クエルボ、カーサミーゴス、ジンではタンカレー、リキュールではピムスやベイリーズなどが挙げられます。
クライヌリッシュはシングルモルトウィスキーですが、これは同じ一つの蒸溜所で造られた複数の樽のモルトウィスキー（モルト原酒）を混ぜたものをいいます。
そのためシングルモルトウィスキーは、蒸溜所が大事にしているこだわりやその個性がはっきり表われるといわれています。

■ボトラーズブランド」とは

シングルモルトウィスキーは、蒸溜所のオーナー会社が販売する「オフィシャルボトル」と「ボトラーズブランド」に分かれます。
このボトラーズブランドとは、独立した瓶詰め業者（インディペンデントボトラーズ）が蒸溜所から原酒を購入し、独自にウィスキーを熟成させ瓶に詰めた後、自社のラベルを貼って販売するものをいいます。
この独自の熟成作業により、オフシャルブランドのウィスキーとはまた違った味が楽しめます。
ボトラーズブランドを作るメリットとしては、ウィスキーを製造する蒸溜所のコストを抑えるといったことが挙げられます。
蒸溜所だけでは資金などの関係で、瓶詰めや販売経路の確保などにさまざまな手間やコストがかかって、なかなか大変な側面があります。
ですが、ボトラーズブランドに瓶詰めや販売を任せることで、蒸溜所は製造だけに専念できるため、より質の高い原酒の生産に結び付けることができます。
ちなみに、現在流通しているスコッチウィスキーは、オフィシャルボトルよりボトラーズブランドのほうがかなり多いそうです。
ディアジオ社におけるボトラーズブランド（ボトラー）は、ダグラスレイン社となります。
日本に輸入されているボトラーズ・ブランドの中でも最高峰といわれており、膨大な樽を保有しています。
ダグラスレイン社がボトリングしているオールドモルトカスクとは、1998年に旧ダグラスレイン社がシングルモルトとして最初に発表した、ボトラーズ市場の初期を支えたシリーズのことを指します。
ダグラスレイン社がこだわりとするノンチルフィルターやノンカラーリングでボトリングされており、樽の個性を楽しめるのが魅力です。

■「クライヌリッシュ 36年 オールドモルトカスク 1971」の味

このウィスキーは90本しか日本に輸入されておらず、かなりレアなアイテムです。
味は全体的に甘くスパイシーですが、その中に樹液やワックス、オイリーでねっとりとした味わいやスモーキーさ、焦がしたキャラメルなどの風味が絡み合い、クライヌリッシュらしい複雑な味わいを生み出しています。
アプリコットジャムや熟したオレンジなどの柑橘系や濃い甘味も含まれています。
まだまだ若いウィスキーですが、長熟系のしっとり落ち着いた味わいとはまた違った、爽やかなおいしさを感じられるでしょう。