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コニャックの銘酒として世界に知られるブランデーのブランド

■フランスに誕生したブランデーメーカー
クルボアジェは、世界に名の知れた上質のブランデーを造るブランドとして知られています。
創業は1809年で、エマニュエル・クルボアジェと当時のベルシー市長のルイ・ギャロワが、共にワインとスピリッツの専門商社を作ろうと立ち上げました。
パリ郊外にあるベルシーにおいて最高級コニャックの取引をしていましたが、だんだんと自分たちこそが最高級コニャックの生産者になろうと思い立ち、ベルシーを離れることにします。
その理由は、自分たちが造るコニャックこそが、最高品質を保証する唯一の方法だと考えたためで、ベルシーで確立されたその生産方法は、200年以上が経った今でも変わらず守り続けられています。
その結果、世界をうならせる最高級コニャックを世に送り出し続けているということもまた、クルボアジェのすごいところです。

■ナポレオン1世に愛されたコニャック
1811年、ナポレオン1世ことナポレオン・ボナパルトがベルシーを訪れた時の様子を描いた歴史画があることからもわかるように、ナポレオン1世はベルシーでナポレオン戦争を戦う自らの砲兵部隊のために、コニャックの配給を手配したという指示記録が残っています。
ナポレオン1世は数多くの戦いに勝利を収めたものの、最終的にはセントヘレナ島へ幽閉されたことは良く知られていますが、そのセントヘレナへコニャックの樽を運び込んだ際、イギリス人将校たちに気前良く振る舞ったという伝説が残っています。
そのため、これをありがたがったイギリス人将校たちによって、ナポレオンのコニャックと名付けられたとされており、ベルシーを訪れて気に入ったとされるコニャックがクルボアジェであることもまた、コニャック好きには良く知られています。
その後、ナポレオン1世が定めた世襲制によって後継者となったナポレオン3世により、1869年、クルボアジェは王室御用達の名誉称号を授かりますが、これはナポレオン3世が個人的に要望したものでした。
その裏には、亡きナポレオン1世への思いがあったのかもしれません。

■息子たちによるさらなる発展
1828年、コニャックの品質を高めるという父親たちの志を継ぐため、それぞれの創業者の息子たちであるフェリックス・クルボアジェとジュール・ギャロワが共に協力し、コニャック地方のジャルナックという小さな町に移転します。
フェリックス亡き後は二人の甥が事業を引き継ぐなどの変化を経て、本社と生産はジャルナックで続けていました。
1870年代にシャラント川のそばに建てられたシャトーでも、クルボアジェとしての事業を現在も続けているのはすごいことです。
ジャルナックにあるクルボアジェの本社はフェリックスとルイが最初に作ったシャトーで、ブティックと博物館があり、見学ができることから多くの人が訪れます。
会員限定のツアーや、テイスティングが楽しめる他、博物館にはナポレオン1世ゆかりの品が数多く展示されており、クルボアジェの長い歴史を垣間見ることができ、貴重な体験になることでしょう。

■一度は飲んでみたい皇帝が愛したコニャック
4大コニャックメーカーの一つとして知られるクルボアジェですが、長い歴史の中でのナポレオン1世との関わりは、クルボアジェを特別な存在にしていると言えます。
皇帝が愛したコニャックともなれば、コニャック好きはもちろんのこと、初めてコニャックを飲む人もぜひということになるのではないでしょうか。
クルボアジェ V.S.O.P.は、ユニ・ブランと呼ばれる品種のブドウをメインに作っており、酸味の効いたフレッシュで爽やかな味わいのコニャックであることが特徴です。
皇帝ナポレオン・ボナパルトが飲んだコニャックがどのような味わいだったかはわかりませんが、クルボアジェ V.S.O.P.を飲みながら、皇帝と呼ばれた人物のその波乱万丈の人生と、クルボアジェが刻んできた200年もの歩みをリンクさせながら歴史を振り返ってみると、非常に興味深く、豊かな時間を過ごせそうです。