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シェリーバット特有の風味が醸し出される18年熟成の円熟した「クラガンモア 18年 ダンカンテイラー ピアレスコレクション」


■クラガンモアとシェリーが生み出した魅力的なテイスト

「クラガンモア 18年 ダンカンテイラー ピアレスコレクション」はボトラーズ（独立瓶詰業者）のダンカンテイラー社の「ピアレス（比類なき）シリーズ」から発売された、スコットランドにあるクラガンモア蒸溜所の18年物の熟成ウィスキーです。
フレッシュシェリーバットを使用して熟成させた「クラガンモア 18年 ダンカンテイラー ピアレスコレクション」は1993～2011年にボトリングして販売されました。
杉が放つ木香にオロロソシェリー由来の優雅さを漂わせるアロマ、そして若干のスパイシーさにオレンジとドライフルーツとまだ熟していないフルーツの香りが全て融合している点が特徴です。
また「クラガンモア 18年 ダンカンテイラー ピアレスコレクション」は新樽のシェリーバットを使用していることもあって、ヌーボーならではの若い干しブドウの味わいが残るシェリーの特徴が分かりやすく表現されています。
新樽が造り出す特有の苦味とビターチョコレートのようなほろ苦さが前面に出ており、クラガンモアの円熟味とシェリーの魅力が詰まった個性溢れる逸品に仕上がっています。
また苦味だけでなく、微かにチェリーシロップやりんご酸の甘酸っぱさも感じられ、特に絶妙なバランスのなっている苦味と甘味、酸味が長い余韻となって心地良く続きます。

■クラガンモア蒸溜所の創業者と蒸溜所誕生の歴史

スコットランド・ハイランド地方、スぺイサイド地域のノッカンドゥの南西に、バリンダロッホという村があります。
クラガンモア蒸溜所が建っているのはこのバリンダロッホで、蒸溜所が創業したのは1869年のことでした。
クラガンモア蒸溜所の創業者はジョン・スミスで、スミスはスコットランド・マレーのバリンダロッホ村近郊のグレンリベット蒸溜所で運営責任者として働いていました。
1824年に創業したグレンリベット蒸溜所はグレンリベット行政区で最古となる政府公認の蒸溜所で、シングルモルトウィスキーを生産している蒸溜所として有名です。
「全てのシングルモルトはここから始まった」とのキャチコピーで知られるグレンリベット蒸溜所でジョン・スミスは、有能なシングルモルト・ウィスキーの製造者として評判を得ていました。
またスミスは蒸溜所の運営にも秀でていたため、マッカランやダルユーイン、ウィショウなどの蒸溜所運営も任されるほどのウィスキー製造・販売で才能を発揮した人でもありました。

■貴重な長期熟成のモルトを詰めた人気のシリーズ

「クラガンモア 18年 ダンカンテイラー ピアレスコレクション」を生み出しダンカンテイラー社は、1938年にアメリカ合衆国のビジネスマン、アベ・ロッセンベルグによって設立されたボトラーです。
アベ・ロッセンベルグと彼のパートナーであるチャーリー・グットマンは共にスコットランドのスコッチ・ウィスキーに魅せられ、特にアベ・ロッセンベルグが主となって1960年代からニューフィリングの樽を購入し始めます。
その数は次第に増えていき、気付いたときには何千丁というほどの数に上っていました。
集められた樽はスコットランド全域にある蒸溜所のもので、大変レアなプライベートコレクションが誕生したのです。
1994年にアベ・ロッセンベルグが亡くなった後、ロッセンベルグレア・コレクションは一時期慈善団体によって保管されることになります。
ダンカンテイラー社のユアン・シャーンは2000年に慈善団体より、ロッセンベルグが集めたコレクションの引き取り依頼を受けますが、何千丁という数の多さからシャーンは樽の品質を確かめることにします。
そしてそのコレクションが比類なき品質を誇る樽であることに驚き、シャーンは全ての樽を購入することにしたのでした。
購入資金は同僚のアラン・ゴードンと共に集め、独立瓶詰業者のボトラーとしては世界一の古酒樽の保有数を誇ります。
中でも1960年代の古酒の保有数は断トツで、数千丁の樽のストックの中から熟成状態やボトリングに最適な時期を見極めてピアレスコレクションに加えています。
1993～2011年は「クラガンモア 18年 ダンカンテイラー ピアレスコレクション」のボトリングに最適だったときで、クラガンモアのモルトウィスキーの魅力はそのままに丁寧にボトリングし、世界中のモルトウィスキー愛飲家に送り出したのでした。