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優しい口当たりと麦の甘味が魅力の「クラガンモア29年スペシャルエディション」


■ウィスキーになじみのない人やハードな味わいが苦手な人におすすめ

「クラガンモア 29年 スペシャルエディション」はスコットランドのスぺイサイド地方にある、バリンダロッホに建つクラガンモア蒸溜所で造られたモルトウィスキーです。
クラガンモアとはゲール語で「突き出した大きな岩」という意味で、その「大岩に突き出した丘」との意味も持っています。
クラガンモアはスペイサイドを代表するモルトウィスキーを造っている蒸溜所で、卓越した技術と伝統の技から生み出されるシングルモルトウィスキーは、スぺイサイドで最も偉大なウィスキーと称されているほどです。
1869年に創業者・ジョン・スミスによって設立されたクラガンモア蒸溜所は、スぺイサイドモルトの伝統をしっかりと受け継いだウィスキー造りを、今も設立当時と変わらない方法で行っています。
フローラルの華やかな香りとオレンジの酸味、それにナッツの香ばしさが生きている「クラガンモア 29年 スペシャルエディション」は、ほんのりとした麦の甘味を感じさせる軽めの飲み口に仕上がっているのが特徴です。
もともと生産するモルトのほとんどがブレンデッドウィスキー用のキーモルトとして使われているクラガンモアでは、オフィシャルボトルのシングルモルトウィスキーはあまり流通していません。
しかしクリームブリュレを思わせる甘い香りと軽めで優しい味わいが楽しめる「クラガンモア 29年 スペシャルエディション」は、ハードな味わいが苦手な女性やウィスキーになじみがないウィスキー初心者にも自信を持っておすすめできるウィスキーです。

■クラガンモア蒸溜所の建設と鉄道での流通

1869年に創設者ジョン・スミスが設立したクラガンモア蒸溜所は3エーカー（約1万2,000㎡）の敷地面積を持ち、蒸溜所の背後の海抜1,600フィート（約487m）の場所には「クラガンモアの丘」があります。
クラガンモア蒸溜所が建設されたバリンダロッホはゲール語で「草地にある村」や「草地にある農場」という意味で、村の北側をスぺイ川が流れます。
南側にはベンリネス山が雄大な景色を見せており、村の東側にグレンファークラス蒸溜所が、そして西側にクラガンモア蒸溜所の姿を見ることができます。
クラガンモア蒸溜所の建設に当たって創業者のジョン・スミスは、土地を所有していた地主のジョージ・マクファーソン=グラントに、スぺイ川沿いに走るストラススぺイ鉄道の線路脇の土地を借り受けられるよう申し出ました。
これはウィスキーの出荷時に効率良く流通させるというジョン・スミスの意図によるもので、蒸溜所建設後はストラススぺイ鉄道の本線から、蒸溜所敷地内専用の支線をクラガンモア蒸溜所の敷地内に引き込んだことでも有名です。
スコットランドで蒸溜所内に鉄道の線路を引いたのはクラガンモア蒸溜所が初めてで、これはジョン・スミスの「いずれウィスキーの流通に鉄道が欠かせないものとなる」との先見の明によるものでした。

■創業者が追求した結果生まれた独特のポットスチル

完成したクラガンモア蒸溜所に設置されたポットスチルは、多くの蒸溜所が使っているスチルとは少々形が異なっており、上部が平たい独特な形をしているのが特徴です。
このポットスチルの形は創業者のジョン・スミスが追求した結果出来上がったもので、通常「スワンネック（白鳥の首）」型と呼ばれるポットスチルとは全く異なる個性的な蒸溜器となっています。
ジョン・スミスはポットスチルの上部を平らにすることで、より純度の高いスピリッツを造ることができると考えました。
そして純度の高いスピリッツを造り出すこのポットスチルの形状が、クラガンモア魅力である果実の風味と口当たりの良さを生み出すことに成功したのです。
「クラガンモア 29年 スペシャルエディション」の仕込みにはクラガンモア丘の良質な湧き水を使用し、オレゴンパイン製の発酵槽は蒸溜のときにも使用されました。
クラガンモア蒸溜所設立当時からの変わらない手法は今も受け継がれている一方で、バーボンカスクをメインにシェリーカスクやポートワインカスクを使って熟成した原酒を使ったウィスキーも生み出しています。