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■5大シャトーの特徴からワインの違いを知ろう
世界的にも有名で、ワイン好きなら知らない人はいないといってもいいほどなのが、フランスのボルドー地方で作られるボルドーワインです。
主に赤ワインですが、白ワインもありますし、貴腐ワインやロゼ、スパークリングワインもあり、バリエーションは豊富です。
ただ、やはり圧倒的に赤ワインの生産量が多いことから、どうしてもボルドーは赤ワインという印象になるのは致し方ありません。
そのため、それならばと赤ワインを存分に飲み比べしてみるのが、5大シャトーを知る一番の方法といえます。
ボルドーの産地は、3つの大きな川によって5つに区切られた地域にある、5つのシャトーを5大シャトーと呼び、とりわけ上質なワインを作り出すシャトーとして区別しているのが特徴です。
そこで、この5つのシャトーの特徴からどのような味わいのワインが生み出されてきたのかを探ってみるのも、歴史を辿る中では興味深いといえます。

■シャトー・マルゴーに代表されるメドック地区
メドック地区でもっとも有名なシャトーといえば、シャトー・マルゴーです。
しばしばボルドーワインの中でも、最も有名だと称されるシャトー・マルゴーは、女性的なワインと評されるボルドーワインの中でも、ひときわ女性らしいといわれることでもよく知られています。
文豪・ヘミングウェイが愛したワインとして知られ、日本では「失楽園」や漫画作品にもしばしば登場していることから、5大シャトーの中ではもっともよく知られているのがシャトー・マルゴーなのではないでしょうか。
近年、メルローの比率を引き下げ、カベルネ・ソーヴィニヨンの割合を高めたこともあって、より力強い味わいになったとされています。
メドック地区の他には、右岸地区にソーテルヌ＆バルサック地区、アントル・ドゥ・メール地区にグラーヴ地区があり、この5つの地区にある5つのシャトーが5大シャトーに選ばれています。
それぞれの地区で土壌の質が異なるため、適したブドウの栽培種も変わってくることから、結果的に出来上がるワインの味わいも異なります。
ボルドーという地域を5つに大別できるということも、考えてみればすごいことですし、5つに分けて、それぞれの中でもっとも秀逸なシャトーを決めようと考えたナポレオン三世は、かなりすごい人物だったといえそうです。

■どこから試すかは迷うところ
5大シャトーの内でもっとも名前が知られているといえば、シャトー・マルゴーですが、5つのシャトーそれぞれに味わいの違うボルドーワインを生み出していることから、どこのワインから飲み始めるのがいいかは、非常に迷うところです。
ただ、ボルドーでは過去にかなりブドウの出来がよい時期が長く続いたことから、全てのシャトーで非常に価値のあるヴィンテージワインが多く生まれています。
その中でもボルドーワインの女王と呼ばれるシャトー・マルゴーに多いのは必然かもしれず、まずはシャトー・マルゴーから試してみるのがよさそうです。
もっとも女性的なボルドーワインと称されることから、これからワインを飲み始めようと思っている人にも向いていそうです。
とはいえ、ボルドー地域全体で非常に上質のブドウが豊作だった2004年に作られたシャトー・マルゴー2004年は、これからワインを飲んでみようかなという人には、おいそれと手の出ない高級ワインとなっています。
豊かな果実味とバランスに秀でたクラシックな出来栄えは、まさに5大シャトーの中でもっともエレガントなワインと称されるだけのことはあると感じられる、そんな味わいに仕上がっています。
繊細できめ細かなタンニンが、逆にまろやかで優しい舌ざわりを感じさせてくれるという、シャトー・マルゴーにしか作り出すことのできない逸品に仕上がっています。
高級ワインではありますが、シャトー・マルゴーの実力を存分に堪能するにはもってこいの極上の味わいが楽しめることでしょう。