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■世界で愛されるカラスのマーク
クエルボは、1795年の創業から歴史と伝統を守り続けているテキーラの有名ブランドです。
クエルボはスペイン語でカラスのことで、ブランドマークにも雄々しいカラスが描かれていますが、その理由は創始者にまつわるエピソードにあります。
創始者のホセ・アントニオの遠いご先祖様が強盗に遭遇した時、カラスのおかげでその銃弾から逃れられたことから、謝意を込めてホセ・アントニオ・クエルボと名乗ることにしたという伝説です。
メキシコだけでなく世界的シェアを持つこのカラスに、そんな逸話があったとは驚きでしょう。
実際には創業時、スペイン語が読めないたくさんの人たちのために、一目でわかりやすいカラスの絵をシンボルに描いたという側面があります。
カラスのシンボルはテキーラ樽に貼られ、ラベルにも描かれるようになりました。
現在クエルボのラ・ロヘーニャ蒸溜所のエントランスには、このカラスの巨大な像が飾ってあります。
この偉大なカラスを見るために、世界中からたくさんのファンが蒸留所を訪れています。

■200年以上テキーラを造り続けるブランド
クエルボは1758年、スペイン統治時代のメキシコに誕生します。
創始者のホセ・アントニオ・クエルボは、スペイン王フェルナンド6世からハリスコ州の土地を入手します。
そこにアガヴェを植える認可を受け、コツコツと開拓して大々的に栽培を行います。
アガヴェはリュウゼツラン科の多肉植物で、甘味料やテキーラの原料になる植物です。
1795年、スペイン王はカルロス4世となり、クエルボ家の当主はホセ・マリア・グアダルーペ・クエルボになっていましたが、ここでテキーラの商業権を得ます。
これで正式に製造販売が認められ、ライセンスを受けたホセ・クエルボ社の創業となりました。
それが200年以上に渡り世界で愛されるテキーラ、クエルボの誕生となったわけです。
現在稼働しているラ・ロヘーニャ蒸溜所が始まったのは1812年で、事業の拡大とともに1852年にカリフォルニア州への出荷が始まります。
1880年にはガラス瓶にボトリングしたテキーラを開発し、手軽に持ち運びができるようになったクエルボは、人々の手で自由に国境を越えて行くことになりました。

■輝かしい受賞歴とカクテルの登場
クエルボは、1893年のシカゴ万博でも、1904年のセントルイス万博でも、アメリカで非常に高い評価を受けています。
こうした賞賛の声は海を渡り、ヨーロッパ各国にも波及しました。
1907年のマドリードでの博覧会でも絶賛され、1909年のパリ博覧会ではクエルボはグランプリも受賞しています。
そして、こうした人気をさらに後押ししたのがカクテルの誕生です。
1930年代から40年代はマルガリータのベースとして世界中から絶賛され、1970年代になるとテキーラサンライズのベースとして人気に火が付きます。
こうしてクエルボは世界90カ国以上で深く愛されるお酒となり、今も多くのファンを虜にしているのです。
ちなみに、クエルボの人気はメキシコ観光にも大きく貢献し、メキシコのグアダラハラからテキーラ地区まではクエルボ・エクスプレスという列車の旅も人気です。
車内ではマルガリータなどクエルボやおつまみが振る舞われ、車窓から原料のアガヴェ畑を眺めながら陽気な旅を楽しめます。

■プレミアムなクエルボ 1800シルバーテキーラ
クエルボ 1800シルバーテキーラは、クエルボの中でも原料の栽培に8～12年もかかる、ブルーアガヴェのみを使用したプレミアムなテキーラです。
樽で短期熟成させた原酒と蒸溜したての原酒とをバランス良くブレンドし、アガヴェ本来の風味を楽しめる仕上がりになっています。
口当たりは滑らかで柔らかく、豊かな深みが特徴です。
樽色が濃く芳醇でコクがあり、キレがよく余韻がさわやかに消えて行くのが魅力でしょう。
ぜひ、冷凍庫でしっかり冷やしてライムを絞り、旨味のある塩とともに楽しみましょう。