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■香味豊かな味わいが楽しめるグレーンウイスキー
キリン富士御殿場蒸溜所 ディスティラーズセレクト シングルグレーンは、富士山麓の雄大で豊かな自然環境のもと、多彩な設備や独特なこだわりの製法を用いた富士御殿場蒸溜所の特徴が詰め込まれた多様な香味タイプのグレーン原酒の中から、ディスティラー（蒸留酒製造業者）が選び抜いた3種のグレーン原酒から造られていあｍす。
アルコール度数52％と高めですが、香味豊かで透明感あるクリアな味わいシングルグレーンウイスキーとなっています。

■富士御殿場蒸留所の歴史と環境
富士御殿場蒸留所は日本一の美しさを誇る富士山の麓に広がる水と緑が豊かな場所に1973年に造られました。
日本のキリンビール株式会社だけでなく、バーボンウイスキーの製造機器などの開発で有名なアメリカのJEシーグラム社、スコッチウイスキーの故郷であるイギリスのシーバースブラザーズ社がキリン・シーグラム株式会社という合弁会社を設立して、開設した日本におけるウイスキー造りの拠点です。
日米英の3社合同のウイスキー造りにおける日本の拠点が、日本一の山の山麓にあるのも注目に値し、選ばれるべくして選ばれた場所といえるかもしれません。
富士山からは50年の歳月を経て富士山に降った雨水が自然ろ過して流れ出てきます。
豊富なミネラルを含みながらも軟らかでウイスキー造りに適したマザーウォーターとして、富士御殿場蒸留所では井戸を掘って地下から組み上げて仕込みに使っています。

■グレーンウイスキー製造へのこだわり
富士御殿場蒸留所ではモルト原酒の製法も他とは異なる独自性を現わし、従来のウイスキー造りの概念にとらわれない製法で、クリアで飲みやすく香り高いモルトウイスキーを造り出しています。
一方で、基本的にはモルト原酒の個性を引き立て、ブレンデットウイスキーのまとめ役として使用されるグレーンウイスキー造りについても、並々ならぬこだわりを持って、独自のコンセプトと基準で選び抜いた機器や設備とこだわりの製法で造り上げています。
ライトタイプのグレーン原酒づくりには、一般的にも使われているマルチカラム（多塔連続式蒸留機器）を用いています。
富士御殿場蒸溜所では五搭式が採用され、穏やかな味わいですっきりとしたライトタイプのグレーン原酒が蒸留されていきます。
ブレンドする他の原酒の個性を引き立てながら、ブレンド全体をまとめてるコーディネーター役として、縁の下の力持ちとして働くグレーン原酒です。
熟成させることで華やかな香りが放出されるため、富士御殿場蒸留所では多彩な香味と味わいあるモルト原酒のコーディネート役として控えめな香味となるように、落ち着いた古樽を用いてじっくりと熟成しています。
一方で、キーグレーンになるためのグレーン原酒づくりには、ケトル（単式蒸留器）が採用されています。
モルトウイスキーの蒸留釜（ポットスチル）と同様、１回ずつ蒸溜を行う単式蒸留器となっており、香り高い芳醇なミディアムタイプのグレーン原酒に仕上がります。
連続式蒸留に比べて大変な手間がかかるため、世界的にみてもケトル蒸留器を使用している蒸留所は珍しくなっています。
時間と手間をかけて丁寧に蒸留することで、甘く芳醇な香りと適度なボディ感を持ち、バランスに優れたグレーン原酒ができあがります。
ブレンドの鍵を握るのはもちろんですが、キリン富士御殿場蒸溜所 ディスティラーズセレクト シングルグレーンのようなシングルグレーンとしても活躍できる重要な存在です。
味わい豊かで重厚なヘビータイプのグレーン原酒を造るためには、ダブラーという蒸留器が利用されています。
これは合弁関係にあるアメリカのシーグラム社によって開発された蒸溜器で、優れた品質機能が高い評価を得ており、バーボンウイスキー製造業界のスタンダード蒸留器として広く採用されています。
一方で、バーボンウイスキー製造が主流のアメリカのバーボン業界以外で使用している蒸留所は稀です。
富士御殿場蒸留所では他にはないビアカラム＆ダブラーの連続式蒸留を行うことで、味わい豊かで重厚なグレーン原酒も造りだす環境が整っています。