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■特別なシャンパンだからお披露目も特別
世界中で最も有名なシャンパンといえば、ドン・ペリニヨンをおいて他にはないでしょう。
特に日本では、「シャンパンといえばドンペリ」というイメージが定着しているため、「シャンパンを飲むならドンペリでないと」という意識を持っている人は多いと思われます。
そんなドン・ペリニヨンは、新しいヴィンテージを発表するたびに世界中を大いに驚かせるような演出をしてきたことでもまた、よく知られているといます。
そのアーティスティックなお披露目は、ドン・ペリニヨンに大いなる付加価値を与える役割を、存分に果たしてきたといっていいでしょう。
ドン・ペリニヨンヴィンテージ2004年のお披露目の際は、最も注目されていた画家のひとりである山口晃氏と、アニメーションで知られるGAINAXとのコラボレーションだったのですから、まさにアーティスティック要素をしっかりと取り入れてきたといえます。

■ドン・ペリニヨンとアート
ドン・ペリニヨンというお酒は、モエ・エ・シャンドン社しか作ることができない特別なシャンパンだけあって、買う人の多くが特別な思いをもって購入していると思われます。
いつでもどこでも買えるシャンパンなら、あるいはシャンパンですらないスパークリングワインなら、特別な思いはないはずです。
ドン・ペリニヨンが特別視されるのは、ドン・ペリニヨンだけが持つ長期間の熟成によって生まれる力強さと洗練された味わい、そして飲む人によって感じ方が異なるところかもしれません。
ある人は純粋な喜びであったり、またある人はステイタスであったりするからです。
2004年ヴィンテージの発表は、山口晃氏と、アニメーションを社会現象にまで昇華させたGAINAX、そしてドン・ペリニヨンの醸造最高責任者のリシャール・ジェフロワ氏がともに試飲を行い、それぞれが受けたドン・ペリニヨンからのインスピレーションをもとに作られました。
3日間限定で動画サイトにアップされた12分間は、ドン・ペリニヨンが好きな人にとっては、いい記念になったと思われます。

■ドン・ペリニヨンヴィンテージ2004年の特徴
モエ・エ・シャンドン社がブドウの出来栄えが悪い年にはドン・ペリニヨンを作らないことは、世界的にもよく知られています。
正確にはモエ・エ・シャンドン社がというよりは、醸造最高責任者の目に適うブドウができなかった場合ということになりますが、この徹底した品質へのこだわりが、モエ・エ・シャンドン社のドン・ペリニヨンが他の追随を許すことなく、長年シャンパーニュの頂点に君臨し続けた理由といえます。
たいした出来ではないブドウを使ってドン・ペリニヨンを作り、販売したとしても、その場合は値段が安くなるというメリットが生まれ、買う人は大勢いるでしょう。
けれど、安かろう悪かろうのドン・ペリニヨンを販売することは、ドン・ペリニヨンでシャンパーニュ作りに携わる人間にとって、とんでもないことだったのです。
この「醸造最高責任者の姿勢を支持し、たとえ品質が劣っても儲けは出るのだから」とシャンパーニュ作りを命ずることのなかったモエ・エ・シャンドン社の姿勢もまた、素晴らしいと言えます。
2004年は当たり年と言われる、ブドウの作柄が傑出してよい年となりました。
そのため、2004年のドン・ペリニヨンは、ヴィンテージの中でも最も偉大なヴィンテージと呼ばれているほどです。
その味わいは、おもしろいことに異なる二面性を持つというユニークな仕上がりとなっています。
まろやかさの中にしっかりとした味わいが感じられ、さわやかさを残しながらも完璧な熟成感を感じることができるという、実に不思議なヴィンテージとなりました。
さらに美しい余韻に長く浸れるというところは、ドン・ペリニヨンにしか出せない高級シャンパンならではの味わいであり、シャンパンは苦手という人も、ドン・ペリニヨンヴィンテージ2004年を飲めば、これまでのシャンパンのイメージが変わることでしょう。
もしかすると、これまでシャンパンだと思って飲んでいたのは、みんなスパークリングワインだったかもしれない可能性もでてきそうです。