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■白だけでなくロゼでもコラボ
モエ・エ・シャンドン社のドン・ペリニヨンが、アイスランド出身のシンガーソングライター・ビョークと、前衛的な映像作家・クリス・カニンガムとコラボレーションしたドン・ペリニヨンヴィンテージ2006は、全国の百貨店でギフトボックス入りで随時販売されていったことはよく知られているのではないでしょうか、限定商品だったことから、通常のドンペリ白よりも値段は高くなっていました。
ただ、ビョーク＆カニンガムとのコラボレーション企画で発売されたドン・ペリニヨンは、実はロゼも作られ、ドン・ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ2004として、2015年10月23日から、こちらも白と同時に全国の主要百貨店にて、750ml入りの限定ギフトボックスが2万1000円で発売されたのです。
白がヴィンテージ2006なのに対して、ロゼがヴィンテージ2004であることの違いに気づいた人は、「それなのになぜ同じ発売年の同じ発売日なのか？」という疑問を持ったのではないでしょうか。
それには、ロゼならではの理由があります。

■ロゼは熟成期間が長く必要になる
ドン・ペリニヨンの白の場合、およそ8年間熟成させることでヴィンテージとなります。
一方のロゼは淡いピンク色をつけるために、赤ワインを少量混ぜることから、赤ワイン特有のタンニンの渋みがシャンパーニュに付いてしまいます。
このタンニンがついたままですと、ドン・ペリニヨンならではの上質の味わいが表現できないことから、タンニンを抜くために白よりも長い期間をかけて熟成させる必要があるのです。
ロゼの熟成期間はおよそ10年ですので、2006年の白と2004年のロゼが共にヴィンテージとして、同時期にビョーク＆カニンガムとのコラボレーションで発売されることになったというわけなのです。
値段はロゼが白に比べておよそ半分程度ですので、予算の都合からロゼだけを買ったという人もいたかと思われますが、限定ギフトボックスであることや、モエ・エ・シャンドン社のドン・ペリニヨンならではのコラボレーション企画であること、さらには白とロゼが同時に、しかもヴィンテージものとして登場したことなどから、両方買い求めた人も多かったのではないかと推察できます。

■ピンクのボトルが印象的なロゼの仕上がりは
ビョーク＆カニンガムとのコラボレーションでの白のボトルは、光の美しさが非常に映える深みのあるグリーンで、ロゼは淡いピンクを連想させるにはあまりにもはっきりとした主張を持つ濃いピンク色が印象的なボトルとなっています。
どちらも一筋の光がさしこむ印象的なデザインになっており、一目見たが最後、どちらも買いたくなってしまうこと間違いなしといったところだったのではないでしょうか。
気になる味わいですが、ドン・ペリニヨンのロゼならではのなめらかな中にも包み込むようなアタックをしっかりと持ち、最後まで味わいがぶれることなく長く続くあたりは、的確に再現されています。
ロゼというと、白でもなく、赤でもないことから、何となく中途半端なイメージを持つ人も多いかもしれませんが、ドン・ペリニヨンのロゼに関して言えば、力強く浸み込む香りはまさにヴィンテージならではの迫力です。
また、ドン・ペリニヨンのロゼの特徴とも言えるのがグリーンシトラスの香りで、これがかなり意外に感じられるのも特徴でしょう。
ただ、その特徴が魅力となっているのは確実で、このグリーンシトラスの香りが長い余韻を残す一番の要因となっています。
地下のセラーで一度熟成を迎えたドン・ペリニヨンロゼヴィンテージ2004 ビョーク＆カニンガムは、確かなドン・ペリニヨンのロゼの味わいを約束しつつ、独創的なボトルデザインが魅力となり、特別な記念日まで飾っておきたいような、そんな素敵な仕上がりとなっています。
すでにヴィンテージとなっていることから、すぐさま開けて飲むことができますが、自分なりの記念日を設けて開けてみるのもいいかもしれません。
ただし、ファンにとってはなかなか開けられない逸品となったことでしょう。