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■ワイン好きなら知らない者はいない？
かつてはワインといえばフランスやイタリアというのが定番でしたが、最近ではカリフォルニアワインも人気がありますし、チリや南アフリカも良質のワインを作るワイナリーがたくさんできています。
そのため、特に名前にこだわることなく、とにかくおいしいワインを求めてたくさん飲んでみたいという人は、世界中のワインを楽しめるようになったと言えるでしょう。
日本でも山梨や北海道などはワインの産地としてよく知られていますし、意外なところでは京都も地元のワインを作っています。
日本国内も調べてみれば、思いがけずたくさんの国産ワインが見つかるかもしれません。
とはいうものの、やはりワインといえばフランスを抜きに語ることはできないでしょう。
そして、フランスでもっとも有名なワインといえば、ロマネコンティではないでしょうか。
あるいは、赤ワイン好きならボルドーの5大シャトーの中から、シャトーマルゴーやシャトーラフィットロートシルトなどを挙げる人もいるかもしれません。
このあたりになると、ワインに関して一通りの知識を持っている人と言えますので、有名なワインを飲みながらのワイン談義に花が咲きそうです。

■ロマネコンティの魅力を語るなら
多くのワイン好きが実際に飲んで、そのおいしさを広めていったボルドーワインに対して、ロマネコンティの所有者となったコンティ公は、ひたすら自分が飲むためにワインを作らせたことで知られています。
もともと、広大なブドウ畑を持つボルドーに対し、ロマネコンティのブドウ畑は非常に狭く、当然のことながら獲れるブドウの量も少ないのが特徴でした。
ロマネコンティはピノ・ノワールを主なブドウの栽培種としており、作付面積はたったの1.8haです。
ボルドーワインの5大シャトーともなると、ブドウ畑が100ha近くあることが珍しくないことを思うと、コンティ公が落札したブドウ畑は、まさに猫の額ほどの広さしかなかったことが分かります。
これだけの作付面積しかないとなれば、コンティ公は自らの宴のためだけにしか、ロマネのワインを出さなかったのも納得できるところです。
その結果、1760年から30年余りの間、ロマネコンティのワインが市場に出回ることはありませんでした。
コンティ公の宴のお誘いの栄誉に預かり、宴でロマネを飲んだ人の話から、ロマネコンティの素晴らしさが語り継がれていくだけだったのです。

■ブルゴーニュはヴォーヌ・ロマネ村のワインの基準
ロマネコンティを生み出すヴォーヌ・ロマネ村には、ロマネコンティの他にもラ・ターシュやロマネ・サン・ヴィヴァン、グラン・エシェゾーといったワインが存在します。
どれもみなピノ・ノワールから作られるワインですので、飲み比べをしてみるのも面白いかもしれません。
ただ、ロマネコンティのヴィンテージものとなると、そう簡単に手に入れることができない価格帯になってしまいますので、手に入る範囲内で同等レベルの飲み比べがおすすめです。
とはいえ、ロマネコンティは安いものでも数十万円は下らないことから、飲み比べそのものができるかどうかは、保証の限りではありません。
しかしながら、ブルゴーニュワインの基準はロマネコンティといわれるくらいですので、ロマネコンティはぜひとも飲んでみたいワインであるのは確かです。

■簡単には手に入らないワインの理由
もともと作られる本数が少ない上に、コンティ公によって市場にも出回らなかったとあって、ロマネコンティを手に入れるのは非常に難しくなっています。
何が難しいかというと、稀少価値があまりにも高すぎることから、世界的に注目されるヴィンテージワインのオークションが開催されると、とりわけロマネコンティには破格の落札価格が付くからです。
特にヴィンテージイヤーであるロマネコンティ1990年は、当たり年であったことから、世界最高のワインとして世界中から注目される逸品となっています。
時価で換算すると、たいていの場合、100万円を超える取引になるのは当たり前であることから、これもファンにとってはたまらない魅力になっているのかもしれません。
簡単には手に入らないからこそ、余計欲しくなるものだからです。