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2つの樽の個性が融合したエドラダワー 21年 オロロソカスクフィニッシュ

■エドラダワー 21年 オロロソカスクフィニッシュの特徴

エドラダワー 21年 オロロソカスクフィニッシュはバーボン樽で約10年かけて熟成させた後、42ヶ月以上かけてオロロソカスクでフィニッシュさせたシングルモルトです。
スコットランドで一番小さいエドラダワー蒸溜所で、昔ながらの製法で蒸溜されたモルトを、アメリカンウイスキーの代表格であるバーボン樽で熟成させ、さらにオロロソと呼ばれるシェリーの樽で熟成させており、複雑ながらも、長期熟成によるハーモニーが楽しめる一本に仕上がっています。
エドラダワー蒸溜所のシングルモルトはピート香が爽快で、クリーミーな味わいが特徴のハイランドモルトです。
最初の熟成に使った樽に入っていた、バーボンは特有の赤みがかった色味と華やかな香りが特徴のアメリカンウイスキーです。
さらに通常の樽熟成の後、違う種類の樽に詰め替えて、別の樽の風味を与えるウッドフィニッシュを施しました。
ウッドフィニッシュに用いたオロロソはシェリー酒の一種で、スペインのアンダルシア地方が原産の酒精強化ワインです。
シェリーにもいくつか種類があり、オロロソは酵母の影響を与えずに熟成させた酸化熟成タイプで、アルコール度数もワインの中では高めで、17～21度のフルボディなワインに仕上がっています。
琥珀色でクルミなどのナッツ類やコーヒー、カラメルのような香りが楽しめます。
オロロソカスクフィニッシュを施すことで、ウイスキーに熟成感やコク、深い余韻を与えてくれるのです。
エドラダワー 21年 オロロソカスクフィニッシュはウッドフィニッシュを行ったことで、ローストしたアーモンドのような香ばしい香り、アプリコットやレーズンなどの熟したフルーツの香り、ココナッツやチョコレートなどの甘やかな香りが楽しめる風味豊かな一本に仕上がりました。

■創業以来変わらぬ製法と設備

エドラダワー蒸溜所は1825年に地元の農夫が共同で設立した蒸溜所で、小規模ゆえに手作りの丁寧なウイスキー造りをしてきました。
1933年以降はオーナーが何度か替わっていますが、ウイスキー造りの手法は守られ続けています。
蒸溜所の開設以来、製法や設備のサイズも創業当時とほとんど変えず、フロアモルティング以外のすべての工程を小さな蒸溜所でごくわずかなの職人の手で、昔ながらの製法で造られています。
仕込み水は近くのベンヴッラキー山の湧き水を利用しており、年間の生産量は11万リットルほどしかありません。
スコットランドでも大規模で、世界一のシングルモルトのシェアを誇るグレンフィディック蒸溜所で、わずか3日で生産する量を、エドラダワー蒸溜所では1年かけて造る計算になります。
いまだに貴重な設備が残存していることが、エドラダワーが今でも創業時と変わらぬウイスキー造りができる理由です。
中でも注目されるのは糖化の過程でモートン式ワーツクーラーを使用していることです。
糖化が終わった温度60度の麦汁をマッシュタンからろ過抽出した後に、20度前後に冷却する装置ですが、今の時代はヒートエクスチェンジャーと呼ばれる電気で動く装置が使われています。
これに対して、エドラダワー蒸溜所では昔ながらの方法は電気を使わないエコなモートン式ワーツクーラーを使用しているのです。
この冷却装置をいまだに持ち、かつ、現役で使用しているのはスコットランドではエドラダワー蒸溜所だけです。

■シグナトリー社による買収でより魅力的に

エドラダワー蒸溜所は2002年にスコットランドのボトラーズであるシグナトリー社が買収しました。
1988年創業の新進気鋭のボトラーズで、個性的なウイスキーのリリースで人気がうなぎ登りとなっています。
シグナトリー社が買い取ったことで、エドラダワーのモルトはより個性的で多様なスタイルでリリースされるようになりました。
蒸溜するための設備も製法もそのままですが、使用される熟成樽にはシグナトリー社が取り寄せしたさまざまな樽が使用されるようになったからです。