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エドラダワー・リミテッドエディション・バローロカスクマチュアードの歴史的背景

■小さな蒸溜所で生まれたエドラダワー・リミテッドエディション・バローロカスクマチュアード

エドラダワー・リミテッドエディション・バローロカスクマチュアードは、スコットランドのウイスキーブランド「エドラダワー」の1銘柄です。
エドラダワーは、スコットランドで最も小規模な蒸溜所と同時に、最も多くの人が訪れる蒸溜所としても知られています。
スコットランドの小さな蒸溜所の魅力はどこにあるのでしょうか。
ここでは、エドラダワーの歴史にスポットを当てて、エドラダワーとエドラダワー・リミテッドエディション・バローロカスクマチュアードの魅力に迫りたいと思います。

■エドラダワーの歴史

スコットランドのハイランド地方にあるトロッホリーは、昔から保養地として発展してきました。
エドラタワー蒸溜所は、このトロッホリーの高台に位置しています。
創業したのは1825年（蒸溜所が建設されたのは1837年）で、経営は、地元の農業協同組合が担当しました。
スコットランドの小さな蒸溜所が、大きく発展を遂げたのは、20世紀に入ってからのことです。
ウイスキー・ブレンダーとして大成功していたウィリアム・ホワイトリーは、地元の農業協同組合から蒸溜所を買収し、そこで造られたスコッチ・ウイスキーをアメリカで販売するようになりました。
ホワイトリーは優れたブレンダーというだけでなく、敏腕なビジネスマンで、当時アメリカで暗躍していたマフィアのボスであるフランク・コステロと、ウイスキーの売買契約を結びます。
アメリカではスコッチ・ウイスキーが人気で、エドラダワーは、飛ぶように売れたということです。
引退したホワイトリーに代わって事業を受け継いだアーヴィン・レイムも、マフィアとのつながりがあり、エドラダワー蒸溜所は、マフィア傘下に置かれていたと言います。
1976年にレイムがこの世を去ると、エドラダワー蒸溜所はキャンベルのものとなり、さらに2002年、スコットランドのボトラーズ「シグナトリー社」が経営の座につきました。

■エドラダワーの魅力

エドラダワーの魅力は、伝統的な製法にこだわり、個性的なウイスキーを造り続けている点と言えるでしょう。
エドラダワー蒸溜所での製造方法は、農業協同組合時代とほぼ同じと言われています。
製造に必要なポットスチルや糖化槽など、創業当時から使用されている設備も少なく、3人のスタッフが、時間をかけてスピリッツを製造していくのです。
1週間に製造されるスピリッツの量は、スコットランド平均よりもかなり低く（40分の1とも言われています）、量より質を地で行っています。
といっても、蒸溜所のウェアハウスは、数千もの樽を貯蔵できるほどの規模が大きく、シグナトリー社が所有する樽が所狭しと置かれています。
蒸溜所を訪れると、この光景を目の当たりにすることでしょう。
エドラダワー蒸溜所には、年間およそ10万人もの人が訪れますが、この数は、スコッチ・ウイスキー蒸溜所の中でもトップクラスということです。
小さな蒸溜所ですが、多くの人たちを長年魅了し続ける蒸溜所であることがわかります。

■エドラダワー・リミテッドエディション・バローロカスクマチュアードの特徴

エドラダワーは、一時個性を失ってしまったと言われた時期があり、蒸溜所本来の持つクリーミーさや独特の香り立ちを求めるファンも少なくありません。
エドラダワー・リミテッドエディション・バローロカスクマチュアードは、エドラダワー蒸溜所の風味が復刻したと評される、逸品です。
エドラダワー蒸溜所で長時間熟成されたモルトを使い、自社で瓶詰めされています。
バニラやチョコレートの甘い香りにレッドベリーのフルーティーなアロマが心地良く鼻を突き抜けます。
チェリーのフルーティーさとオークのスパイシーさが口に広がり、バニラの甘さが余韻に残ります。

■見つけたらぜひ飲みましょう

製造されたエドラダワー・リミテッドエディション・バローロカスクマチュアードは2,450本と、数量が限定されるため、入手が難しいかもしれません。
もしボトルを見かけたら、スコットランドの小さな蒸溜所が造った、ウイスキーを味わってみてはいかがでしょうか。