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甘やかなエドラダワー 18年 ヴィンテージ1993 ソーテルヌカスクフィニッシュ

■エドラダワー 18年 ヴィンテージ1993 ソーテルヌカスクフィニッシュの特徴

エドラダワー 18年 ヴィンテージ1993 ソーテルヌカスクフィニッシュはボルドーが誇る甘美な貴腐ワインとして名高いソーテルヌの空き樽でウッドフィニッシュさせた個性的なシングルモルトです。
1825年以来、昔ながらの製法でウイスキー造りを続けているスコットランドで一番小さなエドラダワー蒸溜所のモルトは麦芽由来の香味もバランス良く溶け込み、ピート香が爽快ながらもクリーミーな味わいが楽しめます。
一方、ソーテルヌは貴腐ぶどうと呼ばれる高糖度の特別な白ぶどうから造られる極甘口の白ワインであり、ハチミツのような芳香と甘みとともに複雑な風味も生み出し、とろりと芳醇な味わいが楽しめる極上のワインです。
バランスに優れたハイランドモルトであるエドラダワー蒸溜所の18年という長期熟成モルトが、甘美で優雅なソーテルヌの樽でウッドフィニッシュされたことで、より魅惑的な香りと味わいが生み出されました。

■スコットランド最小規模での昔ながらの手作りウイスキー

エドラダワー蒸溜所は地元の農夫が共同で、地域の領主であったアソール公の領地を借り受けて、蒸溜所を作ったのが始まりです。
1933年までは農業協同組合による運営が続けられていましたが、その後はいく度となくオーナーが替わりました。
ですが、オーナーが替わっても、製法や設備、サイズなどは創業当時とほとんど変わっていません。
フロアーモルティングこそ行われていませんが、マッシュタンも醗酵槽もポットスチルも、ほぼ創業当時のまま使われているのも驚きです。
糖液を冷却する装置として、いまだに電気を使わないモートンタイプのオープン・ワーツ・クーラーを使っているのは、スコットランドの数ある蒸溜所でもエドラダワーだけです。
小規模で生産量も少なく、スコットランドで最も大きな蒸溜所に比べて、年間生産量は100分の1程度しかありませんが、生み出されるモルトには高い評価が与えられています。
ウイスキー評論家の言葉を借りれば、シングルモルトの銘酒であり、宝石にたとえるならば、大粒の真珠のようであると称賛されているのです。
甘い香りとクリーミーでとろけるような舌触りが特徴的な、バランスの取れたシングルモルトです。

■伝統を重んじながらも可能性を引き出す新オーナー

評価の高いエドラダワー蒸溜所のモルトがソーテルヌカスクフィニッシュのように個性的なスタイルでリリースされるのは、どうしてでしょうか。
それは2002年にスコットランドのボトラーズ会社であるシグナトリー社がエドラダワー蒸溜所を買収したことによります。
シグナトリー社はアンドリュー・サイミトンと弟のブライアンが1988年に創業した新進気鋭のボトラーズでありながら、独創性あるウイスキーをリリースすることで一躍注目を集めてきました。
ボトラーズとはさまざまな蒸溜所から原酒を樽ごと買い取って、さらに熟成を施したり、ブレンドをしたり、樽を交換して追熟させるなど、さまざまな趣向を凝らしてオリジナルの製品を作って販売する業者です。
そのため、スコットランドをはじめ、世界各地の蒸溜所とのネットワークが形成できるほか、樽ごと買い取るため、自社には種類もさまざまな多彩な樽が蓄積されます。
シグナトリー社がエドラダワー蒸溜所を買収してからも、蒸溜所の設備や製法は変わることなく、伝統が守られていますが、熟成庫にはこれまでにはない違いが見られます。
それはシグナトリー社が、世界各地から取り寄せた珍しい樽がゴロゴロと転がっているというのです。
アンドリュー氏はこれらの樽を駆使して、エドラダワー蒸溜所のシングルモルトに新たな個性を加えて、世界に魅力を発信することに尽力しています。
エドラダワー 18年 ヴィンテージ1993 ソーテルヌカスクフィニッシュが生み出されたのも、その一環であり、高品質なソーテルヌの空き樽で新たな個性が加えられたのです。