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■アメリカを代表するウイスキーと言えばバーボン

バニラやカラメルを思わせる樽由来の独特な甘い香りとまろやかでコクのある味わいが特徴のバーボンは、アメリカを産地とする「アメリカン・ウイスキー」にカテゴライズされており、スコッチやジャパニーズと並んで世界の５大ウイスキーのひとつに数えられています。
スコットランド産のウイスキーを「スコッチ」と呼ぶように、アメリカ産ウイスキーの総称が「バーボン」であると思っている方も多いようですが、バーボンはアメリカンウイスキーの一種であり、連邦アルコール法の規定に沿ってつくられるウイスキーのことを指しています。
主にケンタッキー州でつくられるバーボンを初めて作ったのは、１７８９年に「バーボンの父」と称えられているエライジャ・クレイグ牧師と言われています。
バーボンの風味を特徴づけている内側を焦がした樽を用いた熟成方法はエライジャ・クレイグ牧師が考案したと伝えられていますが、その由来にはいくつかの逸話があり、ウイスキーを入れた樽を置いてあった鶏小屋で起きた火災が偶然生み出したという話や、もともと内側が焼けていた樽に蒸留酒を入れたまま丸太小屋に置き忘れていたなど諸説あるようです。
バーボンと名乗るためには、まずアメリカで製造されていること、トウモロコシの使用比率が原料の５１％以上であること、オーク材の新樽を使用すること、蒸留は８０％以下のアルコール度数で行うこと、熟成は６２.５％以下のアルコール度数であること、瓶詰は４０％以下のアルコール度数であることが必須要件となります。
この中のひとつでも条件に当てはまらない場合、そのお酒はバーボンに分類することはできません。
バーボンの代表銘柄には「フォアローゼズ」以外に、世界売り上げナンバー１の「ジムビーム」、都会的で洗練された味わいの「I.W.ハーパー」、原料に冬小麦を使ったクラフトバーボン「メーカーズマーク」など個性を演出したさまざまな種類が世界で躍進を遂げています。

■運命の出会いと永遠の愛を物語る薔薇のラベル

四つの薔薇という意味を持つバーボン銘柄「フォアローゼズ（Four Roses）」には、ロマンティックなストーリーが秘められています。
物語の始まりは、フォアローゼズの生みの親、ポール・ジョーンズ・ジュニアに訪れた運命の出会い。
ある舞踏会でポール・ジョーンズ・ジュニアは絶世の美女と出会います。
一目で恋に落ちたポールは、その場で迷うことなくプロポーズしました。
しかし、その美しい女性はこう答えます。
「どうか次の舞踏会までお待ちください。プロポーズをお受けするなら、薔薇のコサージュをつけてまいります。」
待ち焦がれた約束の舞踏会の夜、ポールの前に現れた彼女はプロポーズ受諾の証として４輪の真紅の薔薇を胸に飾っていたのでした。
それはまさに永遠の愛が実った素晴らしい瞬間。
運命的な出会いから生まれた素敵なエピソードに由来して名付けられた「フォアローゼズ」のボトルには、二人の愛が結実した瞬間を象徴するように紅い４つの薔薇が並んだコサージュがラベルに描かれています。
愛の誓いを交わしたふたりの物語に思いを馳せながらいただくフォアローゼズは、どんなウイスキーよりも情緒的で甘美な味わい深いになることでしょう。

■薔薇の味がする？フォアローゼズの正しい愉しみ方

芳醇でフルーティーなアロマが特徴のフォアローゼズは、種類によってボディの重さや味わいの違いはありますが、数あるバーボン銘柄の中では比較的飲みやすいので、まずはストレートで楽しむのがおすすめです。
キリンの公式ホームページで「花のような、果実のような、ほのかな香り」と表現されるスムース＆メロウな香りは、ラベルに描かれた愛と美の象徴「薔薇」を彷彿とさせる上品な華やかさ。
常温のミネラルウォーターを少しずつ加えることで、ハチミツやオレンジピールを感じさせる甘い香りがブーケのように花開き、小さな氷を１、２個足してやると溶けるにしたがって変化する味わいを楽しむことができます。
ストレートやロックの味がきついと感じる方は、ライトに飲めるカクテルアレンジでいただくのもいいでしょう。
グラスに入れたフォアローゼズに砂糖とミントの葉を加え、ライムを絞ったらソーダを注いでバーボンベースのモヒートにするのも良いですね。
暑い夏にさっぱりとした爽快感を味わえます。
バーボンはミルクとの相性も良いウイスキーですので、ウォーターピッチャーの代わりにミルクを用意してもいいですし、砂糖とミルクと氷をいれてカルーアミルクのようにいただくバーボンも気軽なひとときを演出できます。
炭酸水の代わりにジンジャーエールで割ると飲みやすくなりますし、オレンジやレモンなど柑橘系のジュースも相性はいいですよ。
バーボンは決して敷居の高いお酒ではありません。
飲み方も、人それぞれの好みや食べ物、雰囲気に応じてアレンジしながらカジュアルに愉しむのが大事。
マナーや飲みすぎないようにだけ注意しながら、オリジナリティ溢れる素晴らしい時間をバーボンで彩ってみませんか。