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創業時の味わいを再現した「グレンフィディック ヴィンテージカスク」


■「グレンフィディック ヴィンテージカスク」の特徴

「グレンフィディック ヴィンテージカスク」は、グレンフィディック蒸溜所が家族で創業をスタートさせた1887年当時の味わいを再現すべく、ピートを焚いたモルト原酒をヨーロピアンオークとバーボン樽で熟成させています。
現在のグレンフィディックの製品の多くはクラシックなノンピート仕込みとなっており、ピート仕込みとして製品化されたシングルモルトはいずれも限定品です。
創業当時のスタイルを再現するためにピートを使用しています。
グレンフィディック ヴィンテージカスクは熟したオレンジのような華やかな香りとピート感のある強めのスモークが漂います。
口当たりは滑らかで、オレンジや桃のフルーティな味わいに続いて、強いピートと蜂蜜のような甘さが口いっぱいに広がります。
スモーキーさとフルーティさが絶妙のバランスで調和されており、心地良い余韻が長く続くのが魅力の一本です。

■グレンフィディックの創業と創業時からのこだわり

グレンフィディック蒸溜所は1887年にスコットランドのスペイサイド地方で、ウィリアム・グラントによって設立されました。
モートラック蒸溜所でウィスキー造りをしていた彼は、自ら求める最高の一杯を造りたいと考え、20年間勤めた職場を辞めて、自らの蒸溜所造りに踏み切ったのです。
生涯を賭けた夢の実現に挑む決意を後押ししたのが、彼の9人の子どもたちでした。
7人の息子と2人の娘も加わり、たった1人の石工職人のアドバイスを得ながら、家族の手作業で1つずつ石を積み上げて自らの蒸溜所を造り上げたのです。
初めての蒸溜液が蒸溜されたのは、1887年のクリスマスのことでした。
創業から数週間、ウィリアム・グラントは息子の1人であるアレックに蒸溜の担当を任せることになります。
アレックに課された役割は、蒸溜の過程で最適なタイミングを見極めて、最高の状態の蒸溜液を取り出すことでした。

クリーンでエステリー、何より甘くてフルーティな蒸溜液を取り出すための類いまれなノウハウを生み出すことに成功したのです。
創業当時に生み出されたハイカットポイントを見極める技術は、歴代のモルトマイスターに脈々と受け継がれています。
また、グレンフィディック蒸溜所ではウィスキー造りに1887年から現在に至るまで敷地内にある湧き水を使用し続けています。
ウィリアム・グラントは長き将来にわたってグレンフィディックの味わいを守っていくには、地域に湧くロビー・デューの泉が欠かせないとの確信を持ちました。
将来にわたってグレンフィディックの伝統を受け継いでいけるよう、多額の投資をして周辺の土地全てを買い取って水源を確保したのでした。

■グレンフィディックを守り続けるための情熱と挑戦

グレンフィディックでは伝統の製法や味を守り、家族経営と職人たちの技の継承を通じて、唯一無二のウィスキーを造り続けています。
グレンフィディックが将来にわたって伝統を受け継いでいくためには、時に時代に先駆けた革新的なチャレンジも躊躇しません。
その1つがマリッジと呼ばれる後熟手法の導入です。
創業当時にはまだ新しい樽ばかりでしたが、創業からの歴史を積み重ねるにつれ熟成期間が長い樽も増えていきます。
熟成期間中にどうしても味のばらつきができてしまうことから、数世代前にモルトマスターがマリッジという後熟手法を導入したのです。
熟成したウィスキーを、ほかの樽に入ったウィスキーと共にオーク材でできた後熟樽に注いで熟成させることにより、ウィスキーにほど良い均一性やハーモニーが宿ります。
マリッジの段階をモルトマスターが適切に見極め、最適な段階でボトリングしています。
伝統の味わいを守るべく、熟成されたモルトの調和を図るマリッジの手法は歴代のモルトマスターの間で代々受け継がれてきました。
こうした職人たちのこだわりと革新が、創業以来の品質を守り抜いているのです。