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贅沢なアロマとコク深い味わいが優美なオロロソシェリー樽熟成のグレンギリー


■東ハイランドで悠久の歴史を持つ最古の蒸留所

スコットランドの北部、東ハイランドに位置する美しいオールドメルドラム村にグレンギリー蒸留所はあります。
山が多いハイランドの中でも比較的平野部が多い東ハイランドですが、その中でもあまり目立たないアバディーンシャーの小さな町にあるグレンギリー蒸留所のまわりには、なだらかに広がる豊かな農地と見渡す限りの山々、丘の連なりに全方位を囲まれてしっかりと守られた谷＝ギリーの丘でバランスの取れた美味しいウイスキーをつくり続けてきました。
かつては有名な蒸留所がひしめき合っていた東ハイランド地区でしたが、今はシェリー樽熟成のエキスパートとして知られる「グレンドロナック」や、スモーキーでピーティーな古典的風味が特徴の「アードモア」、王室御用達を得た甘く上品な味わいの「ロイヤル・ロッホナガー」といった海沿いに集中している蒸留所が挙げられる程度です。
グレンギリーの特徴はウイスキーの伝統や風味も然ることながら、読み方が難しい名称でも知られています。
商品ラベルに記された「GLEN GARIOCH」をはじめから「グレンギリー」と読める方はほとんどいません。
スコットランドで現在も話されているゲール語で「谷間の荒れた土地」という意味がある言葉でありながら、ゲール語のルールではこの文字をグレンギリーと発音しないそうで、語学に長けている方でも一筋縄では読めないスペルなんですね。
知らない方は「グレンガリオッホ」や「グレンガリオック」と発音してしまうことが多いようです。
その反面、一度覚えたら忘れることがない印象的な特長でもあると言えるかもしれません。

■シェリー樽由来のフルーティさとクセの少ない飲みやすさが人気

創業からしばらくはブレンデッドウイスキーに使用するブレンド原酒しか製造していなかったグレンギリーですが、１９７３年に初めて蒸留所のラベルが付いたシングルモルトウイスキーがリリースされて以来、意欲的にオフィシャルボトルがリリースされています。
ピートが利いたクラシックな風味から、洗練された華やかな味わいのウイスキーづくりに変化を遂げてきたグレンギリーは、シェリーカスクの影響を色濃く反映した典型的なフルーティさとダークベリーやバニラが織り交ざる愛らしいニュアンスのスイートさが魅力として定着しています。
ラインナップを通してもハイランドのウイスキーと聞いて想像するような強すぎる個性がなく、ナチュラルな酒質とカスクが演出する酸味や華やかな香りが飲みやすいので、初心者の方にもおすすめです。

■グレンギリーのおすすめラインナップ

アルコール度数４８％の「グレンギリー１２年」は、やわらかい天然水で麦芽を仕込み、ドライイーストで発酵させたあと丁寧に２回蒸溜し、バーボン樽とシェリー樽を組み合わせて熟成させたコクのある味わいとバランスの良さが素晴らしいシングルモルトです。
残念ながら終売となってしまったため、すでに市場流通しているボトルしか入手する方法がないのが残念なところ。
強い酸味やスパイシーさも感じられますが、主張する強いクセもなく青リンゴやマスカットのようなさっぱりしたフルーティな味わいも楽しめますので、度数はやや強いですが初心者の方でも飲みやすいボトルとなっています。
オフィシャルからリリースされている中でも熟成年数が最も長い「グレンギリー２１年」も飲み応えがあっておすすめの1本です。
長期熟成ならではの個性と深みのある濃厚な飲み心地は、ウイスキー熟練者の方でも十分満足できる味わいが楽しめるでしょう。
柑橘系ドライフルーツやうっすらと感じるコク深いハチミツ、干し草やピートの香りはピッチャーを用意してぜひストレートで味わっていただきたい逸品です。
ほかにもインディペンデントボトラーからリリースされたグレンギリーや、蒸留所の長い歴史を記念した「グレンギリー ファウンダーズ リザーブ」などフルーティな風味とクセのない飲みやすさが特徴のグレンギリーらしいボトルが数々ありますので、ぜひお試しください。