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伝統製法の味わい「グランツ スタンド ファスト 1970」


■「グランツ スタンド ファスト 1970」の特徴

「グランツ スタンド ファスト 1970」は1970年に造られた歴史的なブレンドのアンティークボトルで、オリジナルのプレゼンテーションボックスもセットされています。
グランツは世界一のシングルモルトを手掛けるグレンフィディックと同じ会社が手掛けている、ブレンデッドウィスキーのブランドです。
共通点として、創業者であるウィリアム・グラントのウィスキー造りへの理念をイメージした、三角瓶が用いられています。
グランツにおいて、1970年代に造られていたウィスキーの三角瓶には、大きくエンボス加工がされたグレンフィデックの門が描かれていました。
当時のアンティークボトルを復活させたプレミアムな一本です。

■創業者の信念

グランツは有名なグレンフィディックと同じ会社のブランドです。
グレンフィディック蒸溜所が創られたのは今から130年ほど前の1887年で、スコッチモルトの一大産地であるスペイサイドで最高のウィスキーを造りたいとの夢を抱いたウィリアム・グラントによって設立されました。
妻と9人の子どもと共に、1年をかけて手作業で石を積みながら築き上げた歴史を持っています。
それ以降も、子から孫、ひ孫へと受け継がれており、創立以来、ファミリー経営を守り続けている数少ない蒸溜所です。
現在では複数の蒸溜所やブランドを束ねる、ウィリアム・グラント＆サンズ社がまとめ役を担っています。
グランツ スタンド ファスト 1970の名称にも登場するスタンドファストの文字は、三角瓶の紋章の下部にも刻まれています。
スタンドファストは伝統を固守するという意味であり、家族経営を守り続けているグラント家の家訓ともいえるものです。
グレンフィディックとグランツに共通するほかのウィスキーボトルには見られない、三角形のボトルにも創業者の信念が込められています。
創業者であるウィリアム・グラントはウィスキー造りには、3つのものが欠かせないとの強い信念を抱いていました。
その3つとは、石炭の直火炊き蒸溜に用いる「火」、味わいの鍵を握る良質な軟水である「水」、味わいや香りの決め手となる大麦とピートという大地の恵みをもたらす「土」です。
火・水・土の3つをイメージし、三角形のボトルにグランツやグレンフィディックのウィスキーは創業者の信念を込めてボトリングされています。

■水源の確保への信念

グランツにブレンドされているモルト原酒は、ウィリアム・グラント＆サンズ社の傘下にあるグレンフィディック蒸溜所を中心にバルヴェニー蒸溜所などの4つのシングルモルト蒸溜所と、1つのグレーン蒸溜所のものを使用しています。
ブレンデッドウィスキーしか出回っていなかった時代に、世界初のシングルモルトをリリースし、現在でも世界トップシェアを誇っているグレンフィディック蒸溜所がウィリアム・グラントが創設した最初の蒸溜所です。
ウィリアム・グラントは水の重要性を何より重んじ、水源を敷地内に確保すべく、資財を投下して1,200エーカー（約500万平米）もの水源地を買い上げました。
将来にわたってグレンフィディックの味わいを守る上では、スペイサイドのダフタウンにあったロビー・デューの泉が欠かせないものになるとの信念があったためです。
ロビー・デューの泉は山岳地の雪解け水が石灰岩の地層を通ったことでミネラルが豊富な上、清らかで軟らかな水で、ウィスキー造りには最適だったからです。
家族経営を続けてきたことで大切な資源も守り続けており、現在も1887年創業時に使っていた湧き水を変わらずに使用しています。
一方、グレンフィディック蒸溜所の隣の敷地に1892年に創設されたバルヴェニー蒸溜所ではコンバルヒルの泉の水を用いています。
仕込み水の違いで味わいや口当たりなどの差が生まれ、個性溢れるシングルモルトを使って、グランツではウィリアム・グラントから受け継がれたレシピに基づいた素晴らしいブレンドが行われているのです。