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■漢字なのが特徴

サントリーが世に送り出すシングルモルトウイスキーには、多くの場合、漢字で名前が付けられています。
もっとも有名なのは山崎で、次いで響、さらには白州もよく知られ、ファンが多いことでしょう。
白州に関しては、読み方は「しらす」ではなく「はくしゅう」であることに注意が必要です。
自分で手に入れて家で飲む分には、間違って呼んでいても特に問題はありませんが、店で注文するときや、ウイスキー好きが集まって談笑する場合となると、名前を間違っているのはいささか恥ずかしいことです。
しらすと間違って読んでしまう一番の理由は、連合軍が占領した日本で当時の総理だった吉田茂の側近として活躍した、白洲次郎の存在がよく知られているためだと思われます。
白洲次郎を知らない人ならむしろ「はくしゅう」と素直に読めるかもしれませんが、知っている人ならどちらだろうと迷ってしまう可能性があるため、知っておくと安心です。

■白州にもエイジがある

サントリーウイスキーにはたいていエイジと呼ばれる年数が刻まれていることが多く、その理由はウイスキーというものは熟成期間が長くなればなるほど、美味しくなるという特徴があるためです。
山崎や響といった有名どころはサントリー山崎蒸留所で作られていますが、白州に関しては南アルプスは駒ヶ岳の麓、標高700ｍのところにある白州蒸留所で作られています。
山崎や響とは全く異なる環境で作られていることからも、サントリーにとって白州が、これらの有名なウイスキーとは一線を画すものという位置づけになっていることがよく分かります。
そして、そんな白州にもやはりエイジが付いたものがありますし、近年はノーエイジのものも販売されています。

■森の中にある蒸留所で生まれる白州

白州が生み出されているのは、広大な森の中にある蒸留所です。
世界的にも森の中に蒸留所があるのは珍しく、豊かな自然に囲まれた環境の中でサントリーが長年培ってきた熟練の技によって得も言われぬ香味が生み出され、世界中の人々から称賛されています。
そんな白州は、サントリーのウイスキーではおなじみのエイジものとして12年、18年、そして25年があります。
さらに近年、ノーエイジとしてノーマルな白州も販売されており、気軽に試せるようになりました。
白州もまた、白州蒸留所が作り出した多彩な原酒を組み合わせて作るというサントリーの技術が結集したブレンデッドウイスキーですが、有能なブレンダーによる理想のモルトの選別によって森の若葉を思わせるみずみずしくフレッシュな香りとさわやかで軽快かつ、キレのよい味わいに仕上がっています。

■特徴的なのは白州の色合い

山崎蒸留所に次ぐ第二の蒸留所を作りたいと考えたのは、創始者である鳥井信治郎の息子で、二代目マスターブレンダーを引き継いだ佐治敬三です。
彼があえて森の中に蒸留所を作ろうと思い立ったのは、南アルプスの軟水と森の乳酸菌があれば、これまでになかったタイプのウイスキーを作れると考えたからにほかなりません。
山崎や響がウイスキー特有の深い琥珀色をしているのに対し、白州はノーマルと12年は明るい黄金色になっています。
18年になると濃い黄金色になり、25年になると赤みがかった琥珀色へと変化していきます。
白州はウイスキーとは思えない色合いというイメージを抱く人が少なくありませんが、熟成度によって色合いが変わるところは逆に魅力です。

■白州もステップアップしていきたい

ノーマルからエイジものまで、白州にもそれぞれ熟成度に違いがあります。
そのため、4000円程度のノーマルから始め、8500円の12年から順に段階を経て、さらに値段も上げていって味わいの違いを堪能していきたいものです。
森の中の蒸留所から生み出される独特の味わいの白州は、サントリーにおける長年の技術の結集から生み出された山崎蒸留所の有名ウイスキーとは違うタイプの味が楽しめる点が、一番の面白味といえます。
それをノーマルからステップアップして楽しむことができるのですから、ウイスキー好きにはこたえられません。