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おしゃれなカクテルレシピで若者に大ヒットした「ヘネシーブラック」の歴史

■ヘネシーの新製品「ヘネシーブラック」とは
ヘネシーブラックは、ブランデーのトップブランド「ヘネシー」の新しいラインナップの一つで、「ブランデーは高級酒」「年配層がたしなむもの」というイメージを打破し、もっと若年層にも親しんでもおうという取り組みで誕生しました。
特徴が異なる35～45種類の原酒をブレンドし、ジャスミン、オレンジの花、スイセンを思わせる優雅な香りとハチミツやぶどうの爽やかな香りがバランス良く溶け合った新感覚のヘネシーに仕上がっています。
ヘネシーブラックを使ったおしゃれなカクテルを提案するなど、若者のセンスにマッチしたアピールも注目されています。

■老舗のコニャックハウス「ヘネシー」の歴史
ヘネシー（ジャズ・ヘネシー&カンパニー）は、世界でも非常に知名度の高いブランデーのブランドです。
ヘネシー社はブランデーの中でも高級ブランドとされるコニャックの老舗企業で、蒸留所は1765年にリチャード・ヘネシーによって設立されました。
ヘネシーはイングランド・アイルランド州にある貴族の出身者でしたが、イングランドの圧政に嫌気がさし、ルイ15政が統治するフランスに移住してきました。
縁あってコニャック地方に駐留した彼は、コニャックの魅力に惹かれ自ら蒸留所を起ち上げます。
外国人士官の職を捨ててまでしてコニャックづくりに深い情熱を注いだことで、素晴らしいコニャックが製造できるようになり、ヘネシーのコニャックハウスは大きな注目を浴びるようになりました。
リチャード亡き後も子孫がコニャックハウスを受け継いでいき、他企業との合併を繰り返しながら、現在ではコニャック市場の40%のシェアを占める、世界有数の企業に発展しました。

■ヘネシーの偉業
ヘネシーは、コニャックづくりにあたっていくつもの偉業を果たしています。
その一つは、ぶどうの品種や製法にこだわり、ほかにない高品質のコニャックを生み出したことです。
まずヘネシーは、コニャックの原料となるぶどうの品質にこだわり、第一等級の畑のみでぶどうを栽培することに徹底しました。
銅製のポットスチルで蒸留を行う際も、途中で生じる不純物を取り除いて丁寧な蒸留を繰り返し、原酒は樹齢100年以上のオークで作った樽に詰め、長時間かけてじっくり熟成させることにしました。
さらに樽ごとに異なる出来の原液を絶妙にブレンドすることで、ヘネシー社独自の豊かで深みのあるコニャックづくりを成功させたのです。
もう一つの偉業は、品質の格付けシステムを考案したことです。
コニャックには熟成度合いを示す「V.S」「V.S.O.P.」などの等級が付けられています。
これはリチャードのひ孫のモーリスが家族などのために始めたものだったのですが、公式な基準として世界で認定され、コニャック市場の発展に大きく貢献することとなりました。

■ヘネシーブラックが誕生した理由
ヘネシー社は、今までに数多くの素晴らしいコニャックを世に送り出しています。
ヘネシー V.Sヘネシー X.O、リシャール ヘネシーなど個性豊かなコニャックは、250年以上にわたって世界中のコニャックファンを魅了してきました。
しかし、ブランデーが高級酒であることに加え、近年は不況のあおりを受けるようになったため、ヘネシーのコニャックは売上が落ち込み始めました。
そこで状況を打破するため、ヘネシーは若者市場の獲得を検討し、若者や女性でも受け入れやすいフレーバーのコニャックの製造を試みました。
そこで誕生したのがヘネシーブラックやピュア・ホワイトといった新しいタイプのコニャックです。
併せてヘネシーブラックを使って作る「ミクソロジーカクテル」のレシピを提案すると、たちまち世界中の若者の間で大ヒットし、ヘネシーやコニャックの存在が幅広い世代へ知れ渡ることとなりました。
現在のヘネシー社は、伝統を重んじるだけでなく、新しい文化とコラボレーションすることにも積極的で、アーティストと共同でイベントを行うなど革新的な活動を行っています。
こうしたヘネシーのチャレンジ精神が従来のコニャックのイメージを変え、より多くの人に愛されるブランドへの発展につながっているのです。