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フランスが誇る最高級ブランド・ヘネシーの歴史とは

■最高級ブランドの産地・コニャック地方
果実を原料にした蒸留酒のブランデーは、コニャック地方で造られる上質なものと、その他の地域で造られるブランデーとを区別するために、コニャック地方の上質なブランデーをコニャックと呼んでいます。
フランスのシャラント県にあるコニャック地方には、コニャックの有名ブランドが多く存在し、その中の1つが世界的に有名なヘネシーです。
ヘネシーは1765年にリチャード・ヘネシーによって設立されたコニャック・ハウスで、コニャック地方に本社を置いています。
コニャックの世界市場でシェア40％を占め、年間生産本数は5000万本を超えるという、まさに世界最大のコニャックブランドです。

■創業者のリチャード・ヘネシーとは
世界最大のコニャックブランドの礎を築いたリチャード・ヘネシーは、実はフランス生まれではなくアイルランドの貴族の家に生まれた生粋のアイルランド人です。
アイルランドと言えばアイリッシュ・ウイスキーの産地として有名ですが、そんなリチャードがなぜコニャック造りに携わるようになったかというと、当時のアイルランドはイングランドによる圧政に苦しんでいたという政治情勢が大きく影響しています。
リチャードは15世紀初めにイングランドの圧政から抜け出ようとフランスに渡り、1750年にルイ15世の近衛隊の外国人士官としてコニャック地方に駐留したのです。
これが、リチャードの運命を大きく変えたと言えるでしょう。
コニャック地方に駐留したことによって、上質のブランデーであるコニャックのことを知ったリチャードはすっかりコニャックに夢中になり、近衛兵をやめてコニャック地方にとどまり、コニャック造りを手掛けます。
1765年、後世の人たちに比類なきコニャックと称賛されるコニャックを世に送り出したのですから、リチャードを夢中にさせたコニャックがいかにおいしいものだったかがわかるというものです。
リチャードが造ったこの比類なきコニャックには、リチャード自身の名が冠せられ、ヘネシーという名はたちまち広まっていきました。

■比類なきコニャックが造れた理由とは
貴族の出身であり、近衛兵として外国人士官をしていたリチャードがなぜ比類なきコニャックを造れたかというのは、多くの人が抱く素朴な疑問ではないでしょうか。
その答えは、おそらくリチャードが飲んで感激したコニャックの味わいがあったと考えられます。
この味を再現したい、あるいはさらに超える味わいを生み出したいというコニャックへの想いが強かったことが、リチャードにさまざまなこだわりを持たせました。
まずは原料となる葡萄ですが、ユニブランというフルーティーな品種だけにこだわっています。
また、葡萄を栽培するクリュと呼ばれる畑は、コニャックの場合は6つの生産地域に分かれているのですが、ヘネシーでは上質な葡萄が栽培できるとしてランク付けされる1位のグランド・シャンパーニュからプティット・シャンパーニュ、さらにボルドリにファン・ボアといった具合に、ランクの異なるクリュで葡萄を栽培しているのが特徴です。
一般的には、第一等級のクリュであるグランド・シャンパーニュで栽培した葡萄だけを使うというこだわりを持っているブランドが多いのに対して、ヘネシーではそれぞれの異なる土壌から育つクリュでユニブランを栽培し、それぞれのクリュでの最高品質を目指している点は、非常に興味深いと言えます。

■ブレンダーの技量も大きな要素
ヘネシーの貯蔵庫には、樹齢100年以上のフランスのオーク樽が30万以上あるとされており、この中にオー・ド・ヴィーと呼ばれる原酒が貯蔵されています。
長期間にわたって熟成された原酒は、それぞれで味わいや香りが異なるため、ヘネシーのブレンダーたちは毎日数百種にも及ぶ原酒を選別し、その中からベストなブレンドをしているわけです。
この卓越したブレンド技術が、ヘネシーのコニャックを上質なものにしているのは紛れもない事実で、これもまた創業者のリチャードがこだわった要素の1つでした。

■高級ガラスとのコラボレーション
ヘネシー ファーストランディング1868 バカラ 限定品は、1868年にヘネシー社が日本に参入して130年を記念して造られた限定品です。
高級ガラスで知られるバカラ社のクリスタルデキャンタに入れられたのは、100種類の原酒をブレンドした贅沢なコニャックで、参入年数に因んで1868本限定で販売されたスペシャルなヘネシーとなっています。