お酒買取なら大阪のネオプライス

■現代を受け止める揺るがぬ歴史
世界で愛され続けるコニャックのヘネシーが、2012年2月29日、まさにグレゴリオ暦の閏日に発表したのが、現代ポップアーティストKAWSとのコラボレーション限定ボトルのリリースでした。
KAWSはいつも通りカラフル極まるグラフィックでヘネシーを文字通り華やかに彩りましたが、そこはさすがヘネシーです。
その格式は微塵も揺るがず、堂々と新進気鋭の若きアーティストの才能を受け止めています。
世界最高峰のコニャックを手掛けるヘネシーは、2015年に創業250年を迎えた歴史と伝統のメゾンです。
創業者はリシャール・ヘネシー、英語読みをするとリチャード・ヘネシーです。
リシャールが生まれたのはアイルランドの貴族の家でした。
その頃はイングランドの圧政に苦しみ、若きリシャールはルイ15世の募集する旅団に入団し、フランスへ逃れる道を選びます。
そこで駐留することになったのがコニャック地方でした。
外国人士官として従事する中で、たまたまコニャックの存在を知ることになったわけです。
30歳を過ぎるころ、すでに旅団の団長として確固たる地位を築いていたリシャールですが、その立場を返上して彼はコニャックのメゾンを立ち上げます。
それこそがヘネシー社で、1765年のことでした。

■こだわり抜いたコニャックをつくるために
リシャールは、コニャックを最高級の酒に昇華させることにとことんこだわりました。
それだけコニャックを愛していたのでしょう。
もともとはワインづくりが盛んなコニャック地方で、ワインには向かない酸味の強いブドウをなんとか酒に仕立てたものがコニャックでした。
糖分が低いため十分なアルコール度数も得られず、とても質が良いとは言えなかったものを買い取って、美味しいお酒に仕立てたのは過去のオランダ貿易商人です。
安いコニャックを大量に買い、焼いて蒸留することで香り立つ今のコニャックのベースが出来ました。
リシャールが魅了されたのはこの生まれたばかりのブランデーとしてのコニャックで、彼は身分を返上してでももっと旨いコニャックを作り出すことに情熱を注いだのです。
彼がこだわったのは、まずブドウです。
今もヘネシーはユニブランという品種を使っており、これをグランシャンパーニュ、プティシャンパーニュ、ボルドリ、ファン・ボアという最高の第一級畑で栽培し、最高品質を目指しています。
彼もグランシャンパーニュ、プティシャンパーニュで原料となるブドウを栽培し、最高のオー・ド・ヴィー・ヴァン（コニャック用原酒）をつくることにこだわりました。
また、不純物を極限まで取り除くため、2回蒸溜にかける手法も確立させました。
熟成樽も樹齢100年以上のフランスオーク樽を使っていますが、ヘネシー社には現在も30万樽以上保有があり、中には200年以上ある樽も存在しています。
これらのこだわりがすべて溶け込んだ液体こそ、今も変わらぬヘネシーのコニャックと言えるのです。

■ヘネシー V.S. Kaws リミテッドエディション
ヘネシー V.S. Kaws（カウズ） リミテッドエディションは、2012年4月発売でした。
数量限定のカラフルな特別ラベルは当時かなり話題になり、日本でも様々なイベントが仕掛けられたのは記憶に新しい事でしょう。
KAWSは1974年生まれのストリート系アーティストで広告デザイナーとしても活躍していますが、歴史と伝統あるヘネシーのボトルをデザインするとはなかなかすごい企画です。
ヘネシーのボトルはこうした新しい感覚で鮮やかに彩られましたが、その中には一滴も混り気のないヘネシーのスピリットが詰め込まれています。
ボトルにはKAWSの哲学でもある、大切なのは心地よいブレンドを見つけることという自筆の文字が記されていますが、それはまさにコニャックの真骨頂と言えます。
すべてのものを内包し、最高に心地よいブレンドが奏でる希少の1本は、この先も世界から価値を認められ続けることでしょう。