お酒買取なら大阪のネオプライス

■「ウイスキー」の言葉の発祥となったアイルランド

我々は何気なく言葉を使っていますが、一つ一つの言葉にはなにかしら由来があるものです。
「ウイスキー」と言う言葉の語源を調べていくと興味深い歴史をたどることができます。
ヨーロッパの北西に位置する国であるアイルランドには、「イシュケ・バーハ」という言葉がありました。
直訳すると「命の水」という意味ですが、この言葉はしばしばお酒に使われることが多かったのです。
我々も仕事を終えてお酒を飲みほしたときに「生き返る」と口に出してしまいますが、現地の人々にとっては同じようなニュアンスで「イシュケ・バーハ」という言葉を使っていたのかもしれません。
この言葉は12世紀にイングランド人がアイルランドに遠征した事によって他の国にも伝わることとなります。
もっとも、「イシュケ」はイングランド人にとって「ウシュキー」と聞こえました。
これが時代を経ていくごとに「ウイスキー」へと変わっていったのです。
つまりウイスキーとはアイルランドで飲まれているお酒のことだったのです。
こうした歴史的背景もあって、アイルランドで製造されているアイリッシュ・ウイスキーは世界中で飲まれており、当然ながら日本でも手に入る代物となっております。
そして、その中でウイスキー愛飲家からひそかに人気を集めているのがヘネシーという会社です。

■志高き創業者リシャール・ヘネシー

ヘネシーというのは人の名前が元になった会社でして、創業者はリシャール・ヘネシーと言います。
このヘネシーが生まれた時代のアイルランドはイングランドによる弾圧に苦しんでおり、彼はそんな自国の現状を憂えたあまり他の国に脱出します。
フランスに渡ったヘネシーはコニャックが有名なコニャック地方へとたどり着き、現地の名産であるお酒に衝撃を受け、自分でもこのコニャックを作って財を為そうと決心します。
情熱あふれるヘネシーの努力は実を結び、ヘネシー社は世界に知られる酒造会社となっていきました。
とはいえこの時点でヘネシー社はコニャックやブランデーを作るばかりで、ウイスキーは作っていませんでした。
ヘネシー社が創業者の故郷であるアイルランドのウイスキーに目を向けるのは7代目のジール・ヘネシーが就任するのを待たなくてはいけなかったのです。

■創業者の精神に立ち返った七代目社長

ジール・ヘネシーは1998年にヘネシー・ナジェーナというヘネシー社初のウイスキーを販売しています。
この「ナジェーナ」というのはアイルランドの古語ゲール語で「永遠の渡り鳥」という意味を持っています。
祖国を泣く泣く離れ、他国で成功を収めた創業者リシャール・ヘネシーに対する尊敬を込めたウイスキーには世界中の人々が感銘し、高い人気を集めていきました。
当然ながら製法は創業者の故郷であるアイリッシュ・ウイスキーのものです。
原料の大麦もアイルランドで栽培しているものを取り寄せ、蒸留所もクーリー蒸留所というアイルランドに建っているところを選定しています。
つまり徹底的にアイルランドにこだわっているウイスキーというわけで、七代目社長による創業者への愛に満ち溢れた逸品なのです。
もっとも、残念ながらこのヘネシー・ナジェーナは現在購入することができなくなってしまいました。
数年前にヘネシー社がヘネシー・ナジェーナを終売することを発表してしまったからです。
ヘネシー・ナジェーナを世に送り出したジール・ヘネシーも2010年に亡くなってしまったため、改めてヘネシー社から販売が再開されるというのはなかなか難しいかもしれません。
現在このウイスキーを飲むためにはネットのオークションなどを利用するしか方法がありません。
それゆえ、世界中のウイスキー愛飲家たちはこのヘネシー・ナジェーナのことを伝説のウイスキーとして扱っています。
ウイスキーを好んでよく飲んでおり、世界中のウイスキーを飲んでみたいと思っている方は、このヘネシー・ナジェーナを見かけたらもう二度と手に入らないかもしれない、と考えた方がいいかもしれません。