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■サントリーウイスキー響の誕生の歴史
サントリーウイスキーの代表ブランドである響が生み出される山崎蒸留所は、日本最古のモルトウイスキー蒸留所として大正時代の1923年に開設されています。
サントリー創業者である鳥井信治郎が日本人の感性に合い、世界に出して恥ずかしくない国産ウイスキーを造ろうとチャレンジを始めた場所です。
鳥井信治郎は戦前に「白札」を生み出したのに続き、戦後の日本のウイスキーブームを巻き起こす火付け役となった「角瓶」や「オールド」、彼の遺作ともなり、次男である佐治敬三のサポート生み出した「ローヤル」と、世界に認められるジャパニーズウイスキーとして、数々のブレンデッドウイスキーを生み出していきました。
鳥井信治郎の逝去に伴い、伝統の技とウイスキーに込める想いを受け継いだ佐治敬三が二代目マスターブレンダーに就任し、サントリーの創業90周年記念に向けて最高峰と呼ぶにふさわしいウイスキーの開発に乗り出します。
そして誕生したのが「響」であり、初めての響のリリースは1989年のことでした。
「響」は、人と自然と響きあうというサントリーの企業理念が込められて命名されています。
1999年に佐治敬三が亡くなった後、三代目のマスターブレンダーを承継したのは鳥井信治郎の孫にあたる鳥井信吾です。
そして、マスターブレンダーのもとでウイスキーづくりを統括しているのが、チーフブレンダーです。
現在は四代目として福與伸二が努めていますが、響１２年を生み出したチーフブレンダーはー輿水精一で、2014年からは名誉チーフブレンダーとなっています。

■響12年の誕生
サントリーウイスキー響１２年は2009年の秋に国内販売を開始した新製品で、その作り手となったのが三代目チーフブレンダーのチーフブレンダーの輿水精一です。
1999年にチーフブレンダーに就任し、2014年からは名誉チーフブレンダーとなり、2015年には世界的なウイスキー専門誌「ウイスキーマガジン」認定の
「Hall of Fame」を受賞し、日本人では初めてウイスキー殿堂入りを果たしている人物です。
サントリーウイスキー響１２年は一口含んだときの華やかな香りと圧倒的な美味しさで多くのウイスキーファンをうならせ、国際的な品評会においても数々の賞を受賞した傑作です。
数十種類の原酒をブレンドされて仕上げられていますが、キーモルトとなっている原酒は響１２年の魅力である華やかな香りとは対照的なクセのある原酒だとされています。
しかも、その原酒は輿水精一によれば、失敗作になった原酒だといいます。
ですが、彼はチーフブレンダーの引退前にこの失敗作の原酒を使って世界を唸らせるウイスキーを造り出したいと密かに狙っていたというから驚きです。
山崎蒸溜所では熟成させる樽だけでも木の種類や内面の焦がし方をはじめ、青臭さを感じる新樽や、木のクセが抑えられる古樽など様々で、木の香りや色の移り具合が異なる様々なサイズの樽があり、多種多様な原酒が造り出されています。
こうした山﨑蒸留所を中心としたサントリーが貯蔵する多彩な原酒の中から、当時のチーフブレンダーが失敗作だったという原酒をベースに、選び抜いた原酒を数十種類もブレンドした結果、口に含んだ瞬間に口の中に花が咲いたような華やかさと、これまでの上質なウイスキーを大きく超えていくような、絶妙な快感が広がる珠玉のウイスキーが出来上がったのです。

■輝かしい受賞歴
長年に渡りウイスキー業界において貢献を果たした個人に贈られる賞を受賞したマスターブレンダーによって生み出されたサントリーウイスキー響１２年も、世界的な賞を数々受賞した歴史を持ちます。
ISC（インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ）2010と2013、2015で金賞を、SWSC（サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション）2014では最優秀金賞を受賞しています。