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ぜひ味わっていただきたいハイランドパーク 1970年 オーカディアン ヴィンテージの歴史を紹介

■40年にわたる熟成

人々が飲んで楽しめるお酒には大きく分けて醸造酒と蒸留酒、またはそれらの中に果実や香辛料などを後から加えた混成酒の三種類があります。
醸造酒は原料やそれを糖化させたものを発酵させたお酒で、日本酒やワインなどがそれにあたります。
その醸造酒をさらに蒸溜して造ったお酒が蒸留酒であり、エタノールと水で沸点が違うことから基本的に醸造酒よりアルコール度数が高くなります。
そのようにして造られた醸造酒としては焼酎やラム酒、そしてウイスキーが有名です。
醸造酒はアルコール度数が高くても15度前後であり、水分も多いことから保管には注意が必要で、年単位で保管したい場合は涼しくて暗い場所が求められます。
一方で蒸留酒はアルコール度数がゆうに40度を超えるため、長期保存が行いやすいです。
そのため長い期間をかけて熟成させたものが蒸留酒には多く存在します。
蒸留酒の中でも特に熟成が盛んなものはやはりウイスキーでしょう。
「ハイランドパーク 1970年 オーカディアン ヴィンテージ」はその名の通り40年の熟成を経て2010年にボトリングされたウイスキーです。
流通は少なく、1,800本限定で出荷された限りであるため、世界中のウイスキーファンから注目を集めています。
このウイスキーではリフィルバットとホグスヘッドで熟成した7つの樽を使用しており、秘宝の金貨を思わせるような鮮やかで華々しい金色をしています。
また香りもハチミツのように甘く、嗅ぐ者をうっとりと魅了させるでしょう。
また加水すると変化が生じ、甘いオークの香り、そしてその後からキンレンカの花とウッドスモークが現れます。
口に含めばバニラとコリアンダーシードが顔を出し、えもいわれぬ甘さとスパイシーさが長く続きます。

■非常に貴重なシリーズ

ハイランドパーク 1970年 オーカディアン ヴィンテージはスコットランドの蒸溜所であるハイランドパークが出した「オーカディアン ヴィンテージ（Orcadian Vintage）」シリーズの一つです。
このシリーズでは1970年のほかに1964年や1976年など5種類が現在までに出ており、1970年のものはその中でも3本目にあたります。
シリーズ名にある「オーカディアン」とはスコットランドの北部にあるオークニー諸島で生活している人々を指す言葉です。
この島で暮らしている人々は自分の出自に誇りを持っており、現在でも自らをスコットランド人ではなく「オーガディアン」と呼んでいます。
オーガディアン　ヴィンテージシリーズを出したハイランドパーク蒸溜所はオークニー諸島内のメインランド島にあり、また世界最北のウイスキー蒸溜所としても世界的に知られています。
ハイランドパーク蒸溜所がオークニー諸島で創業したのは1798年のことであり、以降200年以上にわたり一貫してこの地でウイスキーを造り続けているのです。
そのため知名度は非常に高く、最も権威ある蒸溜所の一つとして挙げられることも少なくありません。
実際、アメリカのウイスキー専門誌では3回も「ザ・ベスト・スピリッツ・イン・ザ・ワールド」に選出され、さらにイギリスで開催されている「ワールド・ウイスキー・ アワード」も受賞してきました。
そのような蒸溜所が出した限定品としてオーカディアン ヴィンテージシリーズは人気を集めており、オークションで高値が付くことも少なくありません。

■ハイランドを想いながらお楽しみください

オークニー諸島があるスコットランド北部はハイランドと呼ばれており、40ほどの蒸溜所が現在でも稼働しています。
スコッチ・ウイスキーは大麦麦芽を乾燥させる際に泥炭を使っており、それが由来の独特な香りが特徴ですが、ハイランドのものは特にそれが顕著です。
またハイランドパーク蒸溜所の場合は海も近く、潮っぽい風味が付いていると評されることもあります。
ウイスキーに限らずどのお酒でもそうですが、ただ飲むのではなく産地やその風土に思いを馳せながら味わえばより楽しむことができます。
オーカディアン ヴィンテージシリーズのウイスキーをもし手に入れた際には、ぜひはるか遠くにあるスコットランドのことを想いながら口にしてみてください。