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職人のこだわりが感じられるハイランドパーク 24年 1967年の歴史を紹介

■24年熟成された貴重なウイスキー

多くの場合において、ウイスキーは年単位で熟成させます。
熟成を経ることでウイスキーは風味を増し、また特徴的な褐色を帯びていきます。
ウイスキーの熟成はただ置いておくだけでは達成できず、その期間は絶えず職人によって管理がなされていることが必須です。
ハイランドパーク 24年 1967年はその名の通り、24年間もの間ウイスキーのプロフェッショナルたちが管理し、1991年になってようやく瓶に詰められたウイスキーです。
四半世紀近くもの間樽の中で抱かれ続けてきたウイスキーの色は非常に深く、見るだけでも長い年月が感じられます。
しかし口当たりはマイルドで、カラメルソースのような甘い香りが初めに広がります。
その後からオレンジチョコが現れ、余韻も長く続くのが特徴です。
また麦芽の風味もしっかりとあり、多くのウイスキーファンを納得させられる出来といえるでしょう。

■伝統あるウイスキー蒸溜所

ハイランドパーク 24年 1967年を造ったハイランドパーク蒸溜所は1798年にデビット・ロバートソンが創業し、以降現在までウイスキーを製造し続けている老舗です。
またこの蒸溜所はスコットランドだけでなく世界的に見ても最も北に位置する蒸溜所としても知られています。
ハイランドパーク蒸溜所の特徴として真っ先に挙げられるのが伝統を守り続けていることでしょう。
ウイスキーの製造方法は常にブラッシュアップがなされており、伝統ある蒸溜所であっても現在は最新の機械を導入していることが少なくありません。
しかしながらハイランドパーク蒸溜所はなるべく人の手で造る、昔ながらの工法を今でも続けています。
たとえばウイスキーの原料である麦芽の一部を自分たちで栽培しており、また仕込み水にも井戸水を用いています。
また、手間暇かけて栽培した大麦の加工方法も伝統的です。
今も昔も、ウイスキーの製造過程では必ず大麦を発芽させて大麦麦芽とさせます。
これは発芽に合わせて発生した酵母に麦芽内のデンプンを食べさせ、糖分へと変えさせるためです。
このときに生まれた糖分を酵母が餌として食べ、そしてアルコールが生み出されます。
発芽を促すために麦芽はまず水に浸けられ、水分を吸わせた後に安置させます。
現在、多くの蒸溜所においてこの過程を自前では行っておらず、専門の業者に委託しています。
専門業者は非常に大型な機械の中に麦芽を入れ、コンピューターで温度や湿度などを管理しつつ、麦芽から伸びた根同士が絡まないよう定期的に撹拌します。
たとえばスコットランドのとある業者では一つの機械につき約380トンの麦芽を扱うことが可能です。
コンピューターで常に管理されているため品質も良く、最新技術が現在のウイスキー造りを支えているといっても過言ではありません。
このような技術力がまだなかった頃は建物内の床中に大麦を敷き詰め、人の手によって発芽させていました。
現代ならコンピューターによって自動化された管理であっても、その日の気候を見ながら人間が窓を開け閉めして行わなくてはなりません。
また、根の絡まりを防ぐための撹拌も人力で行う必要があります。
非常に重労働であるこの作業は夏なら5日間、冬は7日間も続くため、モンキーショルダーという病気を患ってしまう職人も少なくありませんでした。
今ではほとんどの蒸溜所が辞めてしまった人力での発芽を実施している、世界でも稀な蒸溜所の一つがハイランドパーク 24年 1967年を造ったハイランドパーク蒸溜所です。
この作業を続けていることによって、ほかの蒸溜所では再現できない特徴をウイスキーに与えられています。

■ウイスキーを楽しんでください

人力での発芽、フロアモルティングによって造られていると知って飲めば、ハイランドパーク蒸溜所のウイスキーもまた違った味わいとなるでしょう。
ウイスキーはただ飲むだけでなく、その由来や製造方法などを知ることでも楽しめる、非常に魅力的なお酒です。
ハイランドパーク蒸溜所のウイスキーは非常に人気がありなかなか入手できませんが、もし機会に恵まれたときにはぜひ思う存分楽しんでください。