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晩酌の決定版！日本のウイスキーの父も愛したハイニッカデラックス

■「ハイニッカ （Hi Nikka）」の伝統を受け継いで誕生

「ハイニッカ （Hi Nikka） デラックス」は1989年（平成元年）4月から2015年（平成27年）8月までの間に発売されたウイスキーで、現在は終売品となっています。
「ハイニッカ （Hi Nikka） デラックス」が誕生する以前の1964年（昭和39年）に販売されていた「ハイニッカ （Hi Nikka）」は、モルトとカフェグレーンの2つの原酒をブレンドし、さらにスピリッツ（ブレンド用アルコール）を多く含ませていた2級ウイスキーでした。
スピリッツを多く含ませることで原酒の比率を少なくすることができることから、「ハイニッカ （Hi Nikka）」以外の2級ウイスキーには混和率13％まで原酒が混和されている商品はありませんでした。
そんな中、ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝だけは酒税法で定められた2級ウイスキーのアルコール度数39度、原酒混和率13％という最上限を守ることを貫き通していたのです。
そのおかげで「ハイニッカ （Hi Nikka）」は2級ウイスキーとは思えないほど上質かつ安価なウイスキーとして大人気となり、「ハイニッカ （Hi Nikka） デラックス」はそんな「ハイニッカ （Hi Nikka）」の香りと味わい、伸びの良さをそのまま受け継いだ仕上がりとなっています。

■酒税法の改正により変化を遂げ続けたハイニッカデラックス

1978年（昭和53年）10月1日に施行された酒税法改正に基づき、これまでの2級ウイスキーの原酒混和率は13％から17％へと引き上げられました。
これを機にニッカウヰスキーでは「ハイニッカ （Hi Nikka）」のモルトの比率を増量し、「ハイニッカ （Hi Nikka）」は「ハイニッカ （Hi Nikka） デラックス」へとリニューアルを果たします。
またそれまでラベルに書かれていた「HiHi」も、このとき「Hi」に変更されました。
1989年（平成元年）4月1日の酒税法改正で、ウイスキーの等級制度は廃止されることになりました。
等級制度廃止に伴い、ニッカウヰスキーでは既存していた「ハイニッカ （Hi Nikka） デラックス」のラベルはそのままに、ブレンドを大幅に変更します。
この変更によって「ハイニッカ （Hi Nikka） デラックス」は、モルトとカフェグレーンのみのスピリッツを含まないブレンドとなりました。
1984年（昭和59年）には再度リニューアルを果たし、現在の「ハイニッカ （Hi Nikka） デラックス」のデザインとなっています。

■ラインナップの見直しで惜しまれつつ終売

「ハイニッカ （Hi Nikka） デラックス」が終売となった2015年（平成27年）の2月24日、ニッカウヰスキーでは「初号ハイニッカ復刻版」を販売しました。
「初号ハイニッカ復刻版」は1964年（昭和39年）発売の「ハイニッカ（Hi Nikka）」（ハイハイニッカ）の味を忠実に再現したウイスキーで、ハイニッカファンの間で大変な話題となりました。
一方「ハイニッカ （Hi Nikka） デラックス」は9月1日にラベルがリニューアルされたことにより、「ハイニッカ （Hi Nikka） デラックス」は「ハイニッカ」に改称されます。
終売となるまでには50mlびんと720mlびん、1440mlびんに1920mlびんが発売されていました。
また1920mlにはペットボトルも販売され、2.7Lと4Lのペットボトルも揃うなど多彩なラインナップでした。
ほかにも「ハイニッカ （Hi Nikka） デラックス」を37度のアルコール分に抑えた1800ml入りの紙パックに詰めた「ハイパック」という商品が1992年（平成4年）2月から発売されましたが、1998年（平成10年）12月には終売となっています。
ハイニッカの生みの親である創業者の竹鶴政孝は晩年、周囲に「竹鶴はさぞかし高級なウイスキーを飲んでいるに違いないと思っているだろう」と話していました。
ところが竹鶴政孝は「わしは一番売れているウイスキーを飲むんじゃ」といって、毎晩晩酌にハイニッカを楽しんでいたといわれています。
酒税法で厳しく制限された時代に苦心惨憺して造り上げたハイニッカは、竹鶴政孝にとってどの商品よりも思い入れの深いものだったに違いありません。