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秩父蒸溜所が有名になるきっかけとなったイチローズモルト カード セブン・オブ・クラブスの歴史を紹介

■ジャパニーズ・ウイスキーは世界中にファンがいます

日本にウイスキーが伝わったのは1918年、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝がスコットランドから持ち帰ったのが最初だと伝えられています。
それから百年以上経った現在、ウイスキーは多くの日本人から愛される存在となりました。
本場と比べると歴史は浅いものの、生粋の勤勉さもあり日本におけるウイスキー造りはどんどん進められ、現在は「ジャパニーズ・ウイスキー」としてその地位を世界的に確立しています。
日本のウイスキーとして多くの方々が思い浮かべるのがニッカやサントリーまたはニッカなど、スーパーでも手軽に購入できる蒸溜所のものでしょう。
しかしそれ以外にも数多くの蒸溜所が国内では活躍しています。
その一つとして、ここ十年注目されているのが秩父蒸溜所です。

■蒸溜所としては新参の秩父蒸溜所

秩父蒸溜所は2004年から稼働をはじめた、非常に若い蒸溜所です。
しかし「秩父蒸溜所」としての経営が短いだけで、創設者の肥土伊知郎氏の家系では1940年代後半よりウイスキーを作っていました。
2000年代当時、ウイスキーは人気に陰りが見えており、多くのメーカーが在庫を抱えている状態でした。
特に肥土家の東亜酒造は状況が厳しく、2000年には民事再生法を申請、ウイスキー原酒の製造を停止してしまったのです。
そのような中であっても肥土伊知郎氏は、自分のところで長い間熟成されてきた原酒を信じ、「イチローズモルト」の製造・販売を決めました。
秩父蒸溜所として初めて出荷したウイスキーは一本1万円以上の価格設定がされており、これは無名メーカーとしては非常に高額です。
しかし肥土伊知郎氏の営業努力、故郷の協力、そして何よりもイチローズモルトがクオリティの高さから売上は徐々に伸びていきました。
そのような秩父蒸溜所が現在の知名度を得るきっかけとなったのが「イチローズモルト カード セブン・オブ・クラブス」です。
秩父蒸溜所ではカードシリーズと銘打ち、ラベルにトランプの柄があしらわれたウイスキーをいくつか出荷していました。
シリーズの中でもイチローズモルト カード セブン・オブ・クラブスは、その美しいゴールドカラーが特徴です。
褐色のウイスキーからはバタークッキーを思わせる香ばしさ、そしてメープルシロップかのような甘い芳香が漂い、口に含む前から楽しませてくれます。
味もバニラ系で、さらにその奥からタンニンの味わいも現れます。
また、イチローズモルト カード セブン・オブ・クラブスは加水にも向いているウイスキーです。
水が加えられるとウッディーさが際立ち、バニラとはまた違った味わいを醸し出してくれます。

■コレクターズアイテムとしても有名です

今やウイスキー界の寵児である秩父蒸溜所には多くのファンが存在します。
そのため、飲まれずにコレクションされているウイスキーも少なくありません。
特にコレクターの間ではカードシリーズのように、いくつもの種類が展開されているものは人気が高いです。
中には全種類集め、それを並べつつ楽しまれる方もいらっしゃいます。
イチローズモルト カード セブン・オブ・クラブスは秩父蒸溜所にとって記念碑的存在であるため、多くの場合において通常より高値で売買されます。
イチローズモルト カード セブン・オブ・クラブスの入手はなかなか難しいでしょうが、もし手に入ったときはぜひそのラベル、または瓶の中身の色などを眺めてください。
当然ながらコレクションとしてだけでなく実際に飲むこともおすすめです。
あらゆる困難を乗り越えてきた秩父蒸溜所に想いを馳せつつ、秩父の魅力がふんだんに詰まったウイスキーを傾ける夜はきっと素晴らしいものとなるはずです。
また、秩父蒸溜所はカードシリーズに限らず多くのウイスキーを出荷しているため、それらと飲み比べるのも面白いでしょう。