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ビターな味わいを表現するかのようなラベルのデザインが印象的

■生産本数が少ないイチローズモルトカードシリーズの希少品

「イチローズモルト カード トゥー・オブ・スペーズ」は1991年に羽生蒸溜所で蒸溜されたモルト原酒を使い、2011年に290本という大変少ないボトリング数のモルトウイスキーです。
イチローズモルトカードシリーズは全体的にボトリングされる本数が少ないのですが、その中でも「イチローズモルト カード トゥー・オブ・スペーズ」はかなり少ない部類に入ります。
ファーストカスクにはホグスヘッドを、セカンドカスクにはポートホグスヘッドの二つの樽を使って熟成させました。
ポートホグスヘッド由来の酸味と本格ウイスキーならではのビターな味わいが見事なバランスを取っている、ウイスキーの美味しさが堪能できる仕上がりとなっています。
通常のウイスキーによく見られる琥珀色というよりは、オレンジブラウンに輝く色合いのウイスキーとなっているのが特徴です。
濃縮ベリーのようなドライフルーツの香りにストロベリージャムのような味わいが感じられ、カスクストレングスのためウイスキーをグラスに注いでからご自分で加水してみてください。
水を数滴垂らしていくごとにさわやかな柑橘系のフルーツの香りと、甘酸っぱい味わいが口の中いっぱいに広がっていくのがわかります。
またノンチルフィルターでもあるため、アルコール度数は55.8度となっています。
カスクストレングスでノンチルフィルター、ノンカラー（無着色）の、樽出しウイスキー本来の味わいが凝縮された希少な逸品です。

■世界が注目するイチローズモルトの創業者

「イチローズモルト カード トゥー・オブ・スペーズ」をシリーズ品の中に有するベンチャーウイスキーが造る「イチローズモルトカードシリーズ」は、埼玉県秩父市にある株式会社ベンチャーウイスキーが製造・販売を手掛けるウイスキーのブランドです。
ベンチャーウイスキーではウイスキーブランドが「イチローズモルト」の一つだけとなっているのが特徴で、イチローズモルトの名を冠したラインナップを提供しています。
2004年に日本のウイスキー製造会社として設立された株式会社ベンチャーウイスキーは、東亜酒造の設立者の孫にあたる肥土伊知郎氏が創業者です。
2007年に秩父市に秩父蒸溜所を建設し、2008年2月に秩父蒸溜所が稼働を始めました。
その当時すでに口コミで人気が広がっていた「イチローズモルトカードシリーズ」には、まだ製造が続けられていた銘柄もあったのです。
肥土伊知郎氏の実家は江戸時代から埼玉の地で続いてきた造り酒屋で、日本酒や焼酎の製造を手掛けていました。
昭和に入ってから祖父がウイスキーの製造に乗り出し、設立したのが東亜酒造です。
東亜酒造は埼玉県羽生市に羽生蒸溜所を建設し、ウイスキーの本場であるスコッチ・ウイスキーの伝統製法でモルト原酒造りを行っていました。
ベンチャーウイスキーの創業者は、誕生した瞬間からウイスキー造りの担い手をなる運命にあったのかもしれません。

■イチローズモルトカードシリーズはなぜ高い人気を誇るのか

ベンチャーウイスキーが製造・販売を手掛けた「イチローズモルトカードシリーズ」は、日本国内はもとより世界中にコレクターがいることでも知られています。
「イチローズモルト カード トゥー・オブ・スペーズ」のようにデザイン性豊かなトランプの絵柄が描かれたラベルに魅力があることももちろんですが、すでに終売となってしまったことも要因です。
もともと一つのカスクからしか造られない少量生産のウイスキーであるうえ、カードシリーズすべてのウイスキーの味わいと香りが異なるのですから、マニアとしては集めたくなるのも無理はありません。
多くの商品がプレミア価格となっていることも、より一層人気に拍車をかける形となっています。
市場に流通することもめったにないため、もしも手に入れられるチャンスがあればぜひ購入されることをおすすめします。
それが「イチローズモルト カード トゥー・オブ・スペーズ」であったなら、幸運の女神が微笑んでくれた証といっても良いでしょう。