お酒買取なら大阪のネオプライス

■大分の麦焼酎のイメージを変えた斬新な焼酎
九州では大分県も焼酎を作る酒造会社が多いところですが、鹿児島や宮崎と異なるのは、古くから麦を原料にした麦焼酎をたくさん作ってきたところにあります。
過去数回にわたって、焼酎の一大ブームが起こっていますが、いずれも芋焼酎がブームの中心にあり、これまでクセがあって飲みにくいと思われていた芋焼酎の味わいを全く変える、プレミアムな芋焼酎が出てきたことが発端です。
ただ、こうしたプレミアムな芋焼酎は値段も相当高く、品数も少なかったことから、そう簡単に手に入れて飲むことができない品ばかりとなってしまっています。
その点、麦焼酎は「どれを飲んでも味に大差はない」と思われていることもあって、常に商品の在庫には困らない焼酎でした。
この麦焼酎の売れ行きの鈍さと、時代は芋が大人気ということもあって、麦焼酎にも何らかの改革が必要だと考えたのが、のちに大人気を博すことになる「兼八」を作る四ッ谷酒造の5代目です。

■5代目として跡を継いで初めて知ったこと
5代目は大手家電メーカーのシステムエンジニアをしていましたが、生来の酒好きということもあり、様々なお酒を飲んできました。
その過程で生まれ故郷の麦焼酎を飲んで見たところ、びっくり仰天します。
どの酒造会社のどの焼酎を飲んでも、「内はこういう味だよ」とか、「内の味わいの自慢はこういうところだよ」という特徴のある麦焼酎がないのです。
そもそも麦焼酎はクセのないシンプルな味わいであるところが人気の秘訣だったのですが、それにしてもあまりにもどこの酒造会社の物を飲んでも同じ味で、没個性という言葉でしか表現できなかったと言います。
この経験が、四ッ谷酒造の5代目を「1000人の内、たった1人でもいいからおいしいと言ってくれる人がいる麦焼酎を作りたい」という思いに駆り立てます。
これは、没個性をよしとしてきた麦焼酎の歴史だとしたら、まさに歴史に向かって果敢に挑戦したといっていいでしょう。

■麦チョコという結果
その結果、麦の香ばしさを前面に押し出した麦焼酎「兼八」が誕生します。
この焼酎に敏感に反応したのは、システムエンジニア時代に勤務していた関西の地で、ここでとりわけ若い女性たちに「麦チョコの香りがしておいしい焼酎がある」と口コミで広がり、一躍「兼八」は大人気焼酎に躍り出ることになりました。
また、甘い物は女性の特権という時代は終わり、スイーツ男子が市民権を獲得していたこともあり、スイーツ男子にとっても、麦チョコの香りがする焼酎は見逃すことができなかったと考えられます。
まさに、男性、女性のどちらのハートもわしづかみにする、これまでになかった大いなる個性を持った麦焼酎が誕生することになったのです。

■まとめて買うつわもの向けに5代目は柔軟な対応
焼酎を販売する老舗酒造メーカーの中には、ネットでの販売は行わないという約束をしているところもあります。
たくさん作れないことから、会員だけに飲んでもらうためというのが一番の理由ですが、その点、四ッ谷酒造の「兼八」は、大量に作ったラベルが余っていたという経緯もあり、兼八を世に送り出すのに障害はありません。
そのため、ネットでの取り扱いも当たり前のように行っており、一升瓶6本入り1ケースが、自宅に居ながらにして購入できます。
ただ、大手インターネットショッピングサイトに入っているショップによって、値段に多少の違いがあったり、送料が必要なところもあればいらないところもあるなど様々ですので、じっくり時間をかけて探すのがおすすめです。
とはいえ、これまで没個性だった麦焼酎に斬新ともいえる麦チョコの香りを与え、さらにはネットでの購入も可能にした当たり、さすがは大手家電メーカーのシステムエンジニアを経験した5代目だけのことはあります。
ただ、焼酎造りに関してはまだまだ勉強不足とかで、4代目である父の背中を追いかけながら、これからも斬新な麦焼酎を作り出し、新たな歴史を加えてくれることに期待したいところです。