お酒買取なら大阪のネオプライス

長い歴史を持つ酒造の蔵元だからこその味

■創業年がわからないほどの老舗
現在の日本酒ブームは、いわゆる伏見や灘といった酒どころの酒が造り出したものではなく、地方で長年地元の人たちに飲んでもらうために造ってきた地酒の蔵元のお酒がおいしいとして生まれたものです。
こうしたお酒の存在が掘り起こされるようになったのは、スマートフォンの普及とソーシャルネットワーキングサービスの人気によるところが大きく、瞬く間に情報が伝わるようになったことで、広く知れ渡るようになりました。
知らないうちに日本全国で有名になっていて、大量の注文や問い合わせが殺到し、蔵元が一番びっくりということは珍しくなく、こうした現象からも現在の日本酒ブームは地酒が支えているといって間違いないでしょう。
そんなすっかり有名になったお酒の蔵元に、創業年がいつなのかわからないほどの長い間、酒造りをしてきた蔵元があります。
名水の郷として知られる石川県白山市にある菊姫合資会社です。

■創業は1570年頃
菊姫合資会社では、創業は1570年頃と伝わっており、はっきりした創業年がいつだったかの記録が残っていません。
1570年と仮定すると、元号はちょうど元亀（げんき）改元の年であり、2019年から遡ること449年前となります。
時代は室町幕府の頃で、将軍は足利義昭でした。
こうした歴史を紐解いてみると、現代人には想像もつかない歴史の中で酒造りを続けてきたというすごさに、改めて感じ入ることでしょう。
酒造りの方法は時代を経るごとにいくらかは変わってきたかもしれませんが、根本的なところではあまり変わっていないのかもしれません。

■家訓から見えてくること
菊姫合資会社には、ある家訓があります。
それが、「精米を他所に頼むなら、酒造りを止めろ」というものです。
いささか乱暴な言い方をすると、満足いく米を自分たちで作ることができないくらいなら、良い酒などできるはずがない。
それならいっそ酒造りなどやめてしまえ」ということでしょう。
そのくらい米にこだわって良い酒を造ろうとしてきた姿勢が、この家訓からはっきりと読み取れます。
その結果、日本の酒として初めて原産地表示の認定を受けることになったのが2005年（平成17年）のことです。
ボルドー地方で造られるワインだけがボルドーを名乗れたり、シャンパーニュ地方において基準を満たした発泡性の白ワインがシャンパーニュを名乗れたりするのと同じです。
これによって、菊姫合資会社が造るお酒は、条約および法令によって知的財産権を持つものとして、法律によって保護されることになりました。
菊姫合資会社の家訓がいつ、誰によって定められたかも確かではありませんが、先祖の教えを頑なに守って酒造りを続けた結果が、知的財産権の獲得につながったのは紛れもない事実です。
今や、全国で飛躍的に知名度が上がり、多くの人が一度は飲んでみたい銘酒として菊姫に熱い視線が注がれる中、今も家訓を守り、昔と変わることなく酒造りの米は、その全量を自家精米しています。

■日本初の知的財産権を持つ菊姫が送り出した名酒
菊姫 純米酒 加州菊酒は、日本で初めて清酒の地理的表示が指定されてから造られた銘柄で、日本酒の聖地に指定されている白山市が認めたということを示す、白山GIを受けたことが記されています。
GIとはGEOGRAPHICAL INDICATION、日本語にすると地理的産地という意味であり、白山GIという表記によって、白山市で造られ、さらに白山市によってその品質が認められたということが一目瞭然です。
白山の湧水を思わせる清涼感が感じられる爽快な酸味が特徴で、菊姫が持つ個性は損なわず、それでいてキレが良く飲みやすい、一味違った味わいの菊姫に仕上がっています。
爽快さが感じられる味わいではあるものの、おすすめはお酒の味がしっかりと伝わるぬる燗や熱燗が適しているというのですから、日本酒好きは一度は飲んでみたい逸品です。