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よい原料とこだわりの製法が生む、本物の日本酒

■妥協を許さず、丁寧な酒造り

菊姫は、酒を我が子同様に考え、愛情と慈しみを惜しげなく与えて育てることをモットーに、妥協を許さない酒造りを続けてきた日本酒メーカーです。
納得のいく酒を造るために、吟味した最高品質の米を使用することはもちろん、蔵の設備を整えたり、杜氏や蔵人の技術を磨いたりすることに関しても妥協を許しません。
世界的観念からも古い歴史を誇り、高い技術を必要とする日本酒造りだからこそ、先人が残したノウハウや心意気を大切にしつつ新しいものにも目を向け、さらによい酒を造るための努力を怠らないよう、歩み続けてきたメーカーです。
ハイテク化を進めながらも手作りを最優先し、機械と人の手、人の目を上手に使い分けるなど、工夫を凝らして酒造りに励んでいます。
吟醸酒・黒吟は、「日本酒は無形文化財である」と考え、こだわりを持って酒造りを続けてきた菊姫が届ける、渾身の一本だといえるでしょう。

■日本初、山廃仕込の酒造り

菊姫が全国新酒鑑評会へ初めて出品したのは、1967年のことでした。
それから23年間連続で受賞するなど、非常に高い酒造技術が認められています。
吟醸酒や純米酒などを中心に製造販売を続け、1968年には原料はもちろん、品評会レベルの造りにもこだわり、しかも満足感をも得られる大吟醸を発売しました。
さらに、1978年には日本初となる「山廃仕込純米酒」を発売しています。

■山廃仕込とは

山廃仕込とは、山卸という伝統的な酒造法の一つで、米や麹から乳酸菌を発生させるため、蔵人たちが極寒の中、手で米を握りつぶすという重労働です。
山廃仕込純米酒は、この山卸の作業を廃止して造られました。
作業を省いたからといって、できあがる酒の味わいが落ちることはありません。
麹が持つ、酵素が米を溶かして糖を作り出す力を利用する、つまり、人の手ではなく、麹が働いて美味しい酒を造り出すというわけです。
時間はかかりますが、自然のパワーによって醗酵させるので、アミノ酸が豊富に生まれ、複雑で味わい深い酒ができあがります。
この手法を用いた酒を初めて発売したのが、菊姫というわけです。

■黒吟の原料、山田錦

美味しい日本酒造りには、よい米選びは欠かせない作業となります。
日本酒に使われる米は、米の中心に心白という不透明な部分があるため、一般的な食用の米に比べると大粒なのが特徴です。
心白は、粘度が高いために精米しても砕けてしまうことがなく、タンパク質の含有量も少なめで、もろみに溶けやすいという性質を持っています。
菊姫で使用している酒米は、「山田錦」という酒造りに最も適しているとされる品種です。
ただ、山田錦は栽培・管理が非常に難しい品種でもあり、作られる土地は限られています。
そんな限られた中でも、特に高品質の米を作る、特A地域で採れた米だけを使うという菊姫のこだわりが、世界中の日本酒ファンを虜にしているのでしょう。

■芳醇な香り、とろけるような甘味、黒吟の特徴

黒吟は、「首吊り」、「ビン貯」、「三年もの」の酒として、日本酒通の舌を唸らせてきました。
決して急がせることなく、ゆっくりじっくり、丁寧に造り出された、菊姫自信のブランドです。
絞り時に圧力は一切加えず、自然に酒袋から滴り落ちてくる雫だけを集めて、一本一本丁寧に瓶に詰めたのち、3年という月日をかけて低温熟成させています。
菊姫が飲み頃と判断した時期に限定出荷されるというのですから、大変なこだわりぶりが光る酒です。
メロンやバナナを思わせるような、甘くとろける芳香と、カラメルや黒糖のような深く香ばしいテイストが絡み合い、まろやかで繊細な味わいを持つ吟醸酒として完成しました。
1800mlのボトルラベルに大きく刻まれる白抜きの「吟」の文字は、時間と手間を惜しまない、愛情をかけ、材料に妥協しない、菊姫のこだわりが詰まった最高の酒を表すにふさわしい、シンプルですが力強さを感じさせるデザインとなっています。