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男酒と女酒の違いはどこから生まれているのか

■日本酒でよく聞く男と女
日本酒を語る時、しばしば男と女というワードが出てきます。
そもそも日本酒を好むのは男性が多く、どちらかと言うと女性は苦手意識が強いというのは事実ですが、日本酒の種類で男と女という言葉が使われる際は、まったく異なる意味合いとなります。
日本酒において使う場合には男酒、女酒という言い方がされ、どちらの味わいに属するかを意味する言葉です。
どちらになるかを分ける決め手は口当たりと味わいで、男酒はピリッとした酸味が感じられる剛健な味わいで、どっしりとした重厚感のある仕上がりの酒になります。
一方の女酒は、ぽってりとしたやわらかな口当たりと上品な味わいで、男酒が辛口なのに対して女酒は総じて甘口に仕上がるのが特徴です。
甘口の語源はもともと旨口であり、刺激という要素を盛り込んだ男酒に対し、じっくりと酒の旨味を味わえるのが、女酒の一番の特徴と言えるでしょう。
日本酒において古くから使われてきた男と女の違いは、女性が肉食系と呼ばれて強くなり、男性は草食系と呼ばれてやさしくなった現代とは正反対なのが、面白いところです。

■男酒と女酒はなぜできたのか
そもそも男酒、女酒という呼ばれ方をする酒はなぜできたのかと言うと、江戸時代末期に幕府に献上する正式な酒は、伏見と灘で造った酒に限るという決まりが関係していると言えます。
どちらも有名な酒どころであり、多くの酒蔵が軒を連ねました。
現在も大手酒造メーカーが伏見にありますし、灘の酒も人気です。
この酒造りの場所を指して、灘は男酒、伏見は女酒と言われたのです。
とはいえ、酒の味わいというのはそれこそ銘柄によってすべて異なると言っても過言ではなく、必ずしも灘の酒のすべてが男酒で、伏見も同様にすべて女酒とは限りません。
ただ、酒の出来栄えを大きく左右する水はその土地ならではのものであり、これを変えることはできないため、仕上がりの特徴として顕著に表れてきます。
男酒は仕込み水に硬水を使い、強く発酵させることから酸味のある辛口の酒に仕上がるのです。
一方、女酒は口当たりのやわらかい軟水を仕込み水に使い、穏やかにゆっくりと熟成させていくため、酸味の少ない甘口の酒に仕上がります。
もともとの仕込み水がやわらかいため、出来上がった酒もぽってりとしたやさしい口当たりになっており、まさに男女の違いをそのまま表現するかのような出来上がりから、いつしか男酒、女酒という言い方が日本酒好きの間で浸透していったと考えられます。

■近年人気の地酒は飲んでみてのお楽しみ
近年の日本酒ブームは、地方に数多く存在する昔から酒造りを手掛ける酒蔵においしいお酒があるとして広まったものですので、男酒なのか女酒なのかは飲んでみないとなんとも言えず、日本酒好きにとってはワクワクする瞬間なのではないでしょうか。
あまりにも有名になった伏見や灘の酒とは違い、どんな味わいに出会えるのだろうという楽しみが、今の日本酒人気を支え、ブームを起こしているのは間違いないと言えます。
地方の地酒は特に、その土地で採れるお米や水を使って造っていることから、その土地ならではの味わいが楽しめるの魅力です。
地酒ブームが巻き起こってからまだ年月は浅いと感じるものの、これから先も当分は地方のお酒が物色され、新たな酒の歴史が刻まれていくと言えます。

■菊姫自慢の女酒
菊姫 純米酒 金劒は、女酒と呼ばれる柔らくぽってりとした口当たりと、上品な味わいに仕上がる菊姫の純米酒の特徴をよく表している上質の純米酒です。
米の芯から旨味を引き出す菊姫ならではの造り方によって、素晴らしい凝縮感が生まれており、旨口で飲みやすい純米酒に仕上がっています。
日本酒でありながら、熟成させることによってナッツやカラメルのような香りが感じられるやや甘めの味わいと、口に含んだ時のソフトな口当たりやふっくらした風味が特徴です。
甘口のお酒が好きな人はもちろん、日頃あまり日本酒を飲み付けていない人や日本酒のピリッとくる感覚が苦手な人にもおすすめです。