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受け継がれる伝統と組み合わされる革新的な取り組み

■創始者の教えと歴代当主のチャレンジ
クリュッグの創始者であるヨーゼフ・クリュッグは、変えていいものと変えてはいけないものがあるというのが、自身のシャンパーニュ作りにおける哲学でした。
この哲学を記した「クリュッグの哲学」なるノートがクリュッグ家には存在し、歴代の当主となったクリュッグ家の人たちは、みな目を通したことでしょう。
ヨーゼフ・クリュッグが変えてはいけないものとして子孫に伝えたかったのは、伝統的な製法でした。
クリュッグでは、一次発酵を小さなフレンチオークの樽で行うため、実にたくさんの樽がメゾンに並んでいます。
その数、今や250種類と言いますから、すごいものです。
第二次世界大戦後はこれらの原酒をブレンドして作るアッサンブラージュという製造方法へと変えたクリュッグは、250種類の原酒をブレンドし、なんと1000回にものぼるテイスティングを7人がかりで行い、ようやくベストな組み合わせに仕上げると言いますから、クリュッグのアッサンブラージュは芸術であると評されるのも素直に納得です。
アッサンブラージュされたシャンパーニュは瓶詰めされ、さらに6年間セラーに保管されます。
すでに長い間熟成されてきたヴィンテージの原酒をブレンドしたのですから、すぐにでも販売できるでしょうに、それをせずにさらに熟成させるところにクリュッグのシャンパーニュが帝王と呼ばれる理由が垣間見えます。

■6つのラインナップ
クリュッグのシャンパーニュのベースとなるのは、グランド・キュヴェと呼ばれるアッサンブラージュによって作り出されたもので、最もベーシックでありながらただのノン・ヴィンテージではなく、その味わいからマルチ・ヴィンテージと呼ばれるほどです。
マルチ・ヴィンテージという呼び方がされるのはクリュッグのシャンパーニュだけですので、ベーシックでありながら奥の深い味わいが楽しめます。
近年、女性への贈り物に淡いピンク色が美しいロゼワインが人気ですが、シャンパンとなるとさらに喜ばれるでしょう。
クリュッグのロゼのベースとなる赤ワインは、シャンパーニュ地方で作られたものを厳選しており、シャンパーニュの帝王が作るだけあって、淡いピンクの中にもオレンジがかったバラ色のような色合いに仕上がっているのが特徴です。
その味わいは、これまでのロゼシャンパンが出せる美味しさの域をはるかに超えていたことから、ロゼを超えるロゼと称されるなど、クリュッグが持つ技術とクオリティの高さがここでもいかんなく発揮されています。
赤ワインをブレンドするのは邪道という考えが根強い、ロゼに対する偏見さえも打ち砕くほどの上質さとなっているのは、さすがはクリュッグといったところです。
シャンパーニュ作りにとことんこだわる孤高のシャンパーニュメゾンが、ロゼシャンパーニュにもこれだけのクオリティを出してくるのですから、ロゼシャンパーニュは決して邪道などではないと、クリュッグが証明してくれるでしょう。

■きめ細かな泡と官能的な香りが味わえる逸品
シャンパーニュの美味しさを左右する要素は泡であり、いかにきめ細かな泡を作るかがカギと言っても過言ではありません。
クリュッグのシャンパーニュの作り方は、創始者のヨーゼフ・クリュッグから一子相伝であり、クリュッグ家の人間しか知ることができないとされていますので、他のシャンパーニュメゾンと比べることは意味がないと言えます。
1843年にメゾンを作ってそれほどの年月が経たないうちに、美味しいシャンパーニュを作る名の知れたシャンパーニュメゾンに育て上げた創始者の手腕を考えると、クリュッグのロゼは確実に期待を裏切らない美味しさになっていることでしょう。
クリュッグのロゼも、クリュッグが生み出すきめ細かな泡を持つシャンパーニュで、その味わいを表現するにあたって、官能的かつ大胆、さらに卓越した優美さという言葉が使われるのですから、まさに他の追随を許さない極上のロゼシャンパーニュに仕上がっていることが分かります。