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様々な呼ばれ方をされる特別なシャンパン

■シャンパンにも帝王が存在した
シャンパンといえばドン・ペリニヨンやモエ・エ・シャンドンが有名ですが、フランス北部のランスというところには、シャンパンの帝王と呼ばれるシャンパンメーカーが存在します。
それがクリュッグで、英国王室御用達ともなっている最高級のシャンパンを作るメーカーです。
ランスにあるシャンパーニュメーカーと聞いて、シャンパンはシャンパーニュで作った発泡性ワインしか、シャンパンと名乗れないのではないのかと疑問に思った人もいるのではないでしょうか。
ランスは、フランス北東部の旧シャンパーニュ=アルデンヌ地域圏にあるため、ここで作られた発泡性ワインはシャンパンを名乗ることができます。
そのため、たくさんのシャンパンメーカーがあり、セラーを見て回れるツアーが外国人観光客に大人気です。
お目当てはなんといってもテイスティングで、これが一番の目的という人がたくさん訪れる観光スポットの要素もあるところです。

■世界一と称されるシャンパーニュ
クリュッグのシャンパンは、世界一とか、至高のシャンパンといった具合に、これ以上ない最高級の形容詞を用いて称されることが多いため、いつしかシャンパンの帝王といった呼び名が定着しました。
シャンパンはクリュッグしか飲まないという愛好家も存在し、こうした人たちはクリュギストと呼ばれているほどです。
さらにクリュギストは世界中に存在すると言われていますので、その味は誰が飲んでも素晴らしいと認める逸品なのは疑問の余地がありません。
英国王室御用達になっていることからも、世界中から愛されているシャンパンだということは明白です。
現在はドン・ペリニヨンやモエ・エ・シャンドンを扱うモエ ヘネシー・ルイ ヴィトングループの傘下に入っており、シャンパン好きなら飲み比べをしてみるのもまた一興です。

■創始者はドイツ人のクリュッグ
クリュッグという名前から、ドイツを連想した人もいるのではないかと思われますが、今や世界にその名を知られる最高級シャンパンを作るクリュッグは、1843年にまさにドイツ人のヨーゼフ・クリュッグが作った会社です。
急成長を遂げ、19世紀の後半にはすでにフランス以外でも、そのシャンパンの上質さが知られていました。
とりわけイギリスでは高値で取引されていたことから、現在の英国王室とのつながりも早くからあったのではと考えられます。
クリュッグのシャンパンはブドウの選別から徹底的にこだわり、一次発酵に非常に手間がかかる伝統的な製法をいまだに頑固に守り続けています。
モエヘネシー・ルイヴィトングループの傘下に入ったのは1999年のことですが、伝統的な製造法をかたくなに守って世界最高品質のシャンパンを作り続けているところが、クリュギストを生み出す理由なのかもしれません。

■作り方は時代とともに変化してきた
一次発酵において手間がかかる理由は、伝統的なシャンパンの製造方法であるフレンチオークの小さな樽を使用するためです。
一つの樽に225リットルしか入らないバリックと呼ばれる小さな樽がずらりと並んでいるのは、まさにクリュッグならではといえる眺めで、これが特別な味わいを生み出しています。
クリュッグ ヴィンテージ1996は、カリスマを放つ唯一無二のシャンパンとしていう、最上級の評価を得ているシャンパンです。
それというのも、1996年はシャンパーニュの歴史に残る上質のブドウが育った年とされており、クリュッグヴィンテージ1996もみずみずしい果実の爽やかさと濃厚なアロマが完璧な仕上がりで調和したと大絶賛されています。
ワインの品質を客観的に判断する基準として知られるパーカーポイントでも、96点という高得点をたたき出していますので、非常に上質な仕上がりであることは確かです。
そんなクリュッグは、伝統を大事にしながらも第二次世界大戦後は年代の違うワインをブレンドするという醸造法を確立したこともあり、複雑な要素が絡み合ったシャンパンを造り出すようになったため、その製法はしばしば交響曲にたとえられるところも、クリュッグの魅力をさらに高めていると言えます。