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独自の製法が生み出すのは変わらない品質と味わい

■創業者から連綿と伝えられてきた味わい
クリュッグは日本ではあまり知られていませんが、シャンパーニュの中では最高級品質クラスの素晴らしいシャンパンを作っているシャンパーニュメゾンです。
フランスはもちろんのこと、とりわけ英国ではシャンパンと言えばクリュッグでしょう。
英国王室御用達となっているため、王室の方々が飲まれているのはもちろん、そんなシャンパンだからこそ、一般の人たちも憧れを持って買い求めていると考えられます。
シャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡性のワインであることはよく知られていますが、クリュッグがあるのはフランス北部のランスというところです。
ここは旧シャンパーニュ地方であることから、今でも多くのシャンパーニュメゾンが存在しています。
セラーの見学をさせてもらうことができるところもありますし、出来立てのシャンパーニュを味わえるのも人気の秘密です。
クリュッグもセラーの見学会を行っていますので、機会があればぜひとも訪れるといいでしょう。
伝統を守りながら作り続ける独自の製法は、クリュッグがこだわり続ける小さな樽で熟成を行っていることが分かる、ずらりと並んだワインの樽から実感することができるからです。

■クリュッグのシャンパーニュ作りの過程
クリュッグは名門の名にふさわしいレンガ造りの壮麗な建物となっており、ツアーなどに入らないと一般ではなかなか見学はできません。
一歩足を踏み入れると、クリュッグがクリュッグたるゆえんである伝統的な製法に必要な小さめの樽がぎっしりと並んでいます。
醸造所には新しい樽も用意されており、年月の経過とともに樽の入れ替えが行われ、また新たな味わいのワインが熟成されていくのでしょう。
ストックされているワインは13年分にも及び、品種やヴィンテージごとに区画が分かれています。
地価のセラーにあるピュピトルと呼ばれる架台にはワインのボトルがぎっしり詰まっており、クリュッグ好きなら大興奮間違いなしです。
1880年からのクリュッグを収めたセラーは、一般人は立ち入り禁止になっているほどですから、かなり貴重であることが分かります。

■ツアーに参加したら楽しみはテイスティング
第二次世界大戦、クリュッグは異なるワインをブレンドして作るという製法を確立し、現在に至ります。
この異なるワインをブレンドすることをアッサンブラージュといいますが、上質なワインだけをブレンドし、さらには1000回を超えるテイスティングを7人が3か月かけて行い、ようやくグランド・キュヴェが決まります。
アッサンブラージュが終わった後、すぐに商品になるのかと思いきや、それぞれ異なるワインをブレンドしたものですから、ここから今度は瓶の中に入れて熟成されるのです。
その年月およそ6年と言いますから、セラーに大量のボトルが並んでいるのも納得です。

■伝統製法は日本でもおなじみに
ワインやシャンパンに興味のない人にはなじみがない名前のクリュッグですが、6代目当主のオリヴィエ・クリュッグ氏がクリュッグの伝統製法を日本にやってきて、自ら説いて回ったこともあって、今では日本のシャンパーニュのシェアナンバーワンとなっています。
初めてクリュッグを知ったという人は、探してみると楽しいかもしれません。
クリュギストとまで言われる熱狂的なファンを持つクリュッグのシャンパンには、非常にたくさんの名前が冠づけられます。
「活き活きとした輝」きという名を持つクリュッグヴィンテージ2003は、上品なゴールドの色合いが美しく、果実味を新鮮なまま味わえる、フルーツの芳醇さが際立つ逸品です。
時間とともに熟成度がさらに高まり、より美味しくなるシャンパンとなっていますので、手に入れてからもじっくりと熟成させ、ここぞというときに開栓したい至極のシャンパーニュと言えるでしょう。
ほかのクリュッグを楽しむためにも、ヴィンテージもので初めてクリュッグを味わうのはむしろやめておいたほうがいいかもしれません。