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芳醇な味わいが魅力のラガヴーリン12年リミテッドエディション2011年ボトリング


■アイラモルトウイスキーを知る

スコットランドの西側にはあらゆる島が連なっており、これらはヘブリディーズ諸島と呼ばれています。
このヘブリディーズ諸島の最南端に位置しているのがアイラ島です。
アイラ島は日本でいうと淡路島よりも少し大きいくらいのサイズです。
ガルフストリームというメキシコ湾流が温かな海水を運んでくるために比較的スコットランドの中では温暖なエリアといえます。
積雪もほとんどありませんし、霜もほとんどおりません。
気温が低いが、湿度は高めで四季の変化があるアイラ島では大麦を栽培するのに大変適した気候だったともいわれています。
また、アイラ島にはピートと呼ばれる泥炭の湿地が広がっており、ここから切り出されたピートが乾燥されウイスキーの製造に役立てられています。
このアイラ島で製造されているシングルモルトはピート独特のスモーキーさが際立ち、非常に個性的なフレーバーが魅力で、世界のウイスキー通に愛好家がいるほどです。
アイラモルトには8つ蒸溜所が稼働しています。
キルホーマン蒸溜所以外の7つの蒸溜所は海沿いに建てられているのが特徴で、ピート独特の香味がより感じられるウイスキーを生み出しています。
アイラモルトには、ピートによるヨードのような薬のような香りの特徴があり、さらに燻製などをイメージさせるスモーキーな香り、さらに海沿いで造られているからでしょうか、ソルティーなフレーバーを感じられるのが魅力となっています。

■アイラモルトはピートで味が決まる

ピートによる湿地が広がるアイラ島で造るアイラモルトは、ピートがまさに製造の秘訣といっても過言ではありません。
ヨードが豊富なピートを切り出し、これは製造工程の一部である麦芽の乾燥に使われています。
燃料に乾燥させたピートを使うことで、ビートの香りを麦芽にしっかり吸わせているため、独特のスモーキーかつ潮の香味が生まれています。
アイラ島には、まさにアイラ島の海、土地といった島内の自然を最大限に活用して造られる最高のモルトウイスキーといえるでしょう。

■ラガヴーリン蒸溜所

ラガヴーリン蒸溜所は、アイラ島の南岸であるポートエレンに位置している蒸溜所で、眼前にはラガヴーリン湾が広がった美しい景色の中でウイスキーが製造されています。
1742年の時点でこのラガヴーリンには違法の蒸溜所が設立されている歴史があります。
これによりラガヴーリンは事実上ではスコットランド最古の蒸溜所であるともいわれています。
農業や漁業従事者により、小規模なボーティーのよって隠れて製造され、本土に密輸されてきました。
その後1816年にジョンジョンストンによって公式に設立され、ジョンストン氏が死去してからはさまざまな買収が繰り返されて現在に至ります。
ラガヴーリンで造られるウイスキーはアイラモルトの中でも特にピート香が強いといわれています。
アイラ島の南側に行くほど基本的にピート香が強いモルトが製造されていることもあり、アイラ島南岸にあるラガヴーリンは、深みのあるスモーキーさが特徴となっています。
仕込み水にはソラン湖の湧き水を使うといったこだわりも魅力です。

■ラガヴーリン12年リミテッドエディション2011年ボトリング

ラガヴーリンの代表格といえるウイスキーは、ラガヴーリン16年です。
こちらのラガヴーリン12年リミテッドエディション2011年ボトリングは、カスクストレングスで毎年別のバッチとしてボトリングされたシリーズで、まさに名前の通り2011年にボトリングされたものです。
香りはアプリコットや熟した柑橘系のフルーティさに強いピート臭さがあり、芳醇な味わいが特徴です。
オールドモルト通から非常に高い評価を受け、愛されている16年と比べてしまうと、どうしても未熟さを感じますが、全体的にはそれほど未熟感を感じることがありません。
こちらの2011年ボトリングはオフィシャルのかストレングスの中でも比較的当たり年だと評されている非常に人気の一本で、なかなか見かけない大変貴重な一本といえるでしょう。