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キング・オブ・アイラの称号にふさわしい長期熟成が生んだ深みのあるラフロイグ

■ラフロイグらしさに甘さと香ばしさがマッチした仕上がり

スコットランド・アイラ島にあるラフロイグ蒸溜所が手掛けた「ラフロイグ 27年」は、リフィルホグスヘッドカスク（樽）にて1988年と1989年に蒸溜し熟成させたモルト原酒を使用しています。
さらにファーストフィル・バーボンバレルとリフィル・クオーターカスクで後熟して完成させた、ラフロイグのリミテッドエディションシリーズの中の一本です。
ラフロイグは別名「キング・オブ・アイラ」の称号を与えられるほど、アイラモルトの中でも特に個性の強いウイスキーとして知られています。
大西洋から吹き付ける潮風の影響で塩辛さが感じられ、豊富なピート（泥炭）で香り付けしたスモーキーでピーティーな味わいのウイスキーが出来上がるのが特徴です。
そして独特の薬品臭もすることから、好きな人は好き、嫌いな人は嫌いという具合にはっきりと好みが分かれる銘柄でもあります。
しかしラフロイグを語る上で外せないヨード臭と焦げたような強烈な香りは、一度好きになってしまうと魅了されてしまう味といわれます。
実際にラフロイグのおいしさを知ってからはほかのウイスキーでは物足りなくなってしまった人も多く、イギリス王室のチャールズ皇太子をはじめとして世界中に熱狂的なファンが大勢います。
「ラフロイグ 27年」はラフロイグ蒸溜所の貯蔵庫で長期熟成させて、独特の薬品臭や海藻の匂いにバニラの甘くて滑らかな香りが溶け合い、さらにナッツの香ばしい味わいがピーティーさをほど良く引き立たせる仕上がりとなります。
強烈な個性に優しさが加わった味わいはフィニッシュまで余韻を残しつつ、ラフロイグの新しい魅力を伝える逸品です。

■アイラ島は蒸溜所が並ぶウイスキー島

スコットランドのインナー・ヘブリディーズ諸島の南端にあるアイラ島は、ジュラ島のすぐ西側に位置する島です。
グラスゴーの西120km、北アイルランドのアントリム州からは35kmの位置にあります。
アイラ島の面積は兵庫県淡路島とほぼ同じくらいで、6万1,956ha（600㎢）の島に3,400人ほどの人が暮らしています。
メキシコ湾流の影響を受けることで、スコットランドよりも温暖な気候となっています。
アイラ島には南部と北部に分かれて8つの蒸溜所が建ち並んでおり、その大部分はラフロイグと同様にピート香やヨード臭の強いウイスキーを生産しています。
島内にはほかにモルト製造所のモルトスターがある以外は全てウイスキーの蒸溜所であることから、これがアイラ島が「ウイスキー島」と呼ばれている理由です。

■アイラ島の北と南に分かれて立つ蒸溜所

ラフロイグ蒸溜所は島の南側に位置しており、4つの蒸溜所が並ぶ最も西の端に建っています。
すぐ隣にあるのがラガヴーリン蒸溜所で、続いてその隣にアードベック蒸溜所とカリラ蒸溜所が並びます。
ラフロイグ蒸溜所の西隣にはかつてポートエレン蒸溜所がありましたが、1983年に閉鎖されて以降は建物の一部分だけが残るのみで、今ではモルトスター製麦工場がポートエレン蒸溜所跡地のすぐそばで操業しています。
4つの蒸溜所は共に大西洋から吹き付ける潮風と、海藻や貝殻などが混じったピート（泥炭）を豊富に含んだウイスキー造りに恵まれた環境です。
この自然が個性の強い強烈な味わいを信条とする「アイラモルト」のヨード臭とスモーキーさを生み出します。
さらに海に面した場所に貯蔵庫を持つ蒸溜所が多いことから、貯蔵・熟成している間にも潮の香りやヨード分が原酒に染み込んでいくのです。
アイラ島の北側にもボウモア蒸溜所とブルックラディ蒸溜所、ブナハーヴン蒸溜所にキルホーマン蒸溜所の4つがあり、ブナハーヴン蒸溜所とブルックラディ蒸溜所ではノンピートのウイスキーを、ボウモア蒸溜所とブルックラディ蒸溜所では南部の蒸溜所と同様にピートの効いた強いアイラモルトを造っています。